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からだ・美容

「手術をしたら終わり」ではない 乳がんの治療方針を決める術後の病理検査

公開日:  /  更新日:

著者:島田 みゆ

今後の治療方針は、さらなる遺伝子検査で

 これまでであれば、上記の結果から「術後はホルモン療法のみ」となるのですが、私は追加で「オンコタイプDX(Oncotype DX)」という検査を追加することにしました。この検査は、術後の再発リスクを予測し、抗がん薬の効果や必要性を判断する指標になる遺伝子検査です。手術で摘出した検体を米国に送り、約3週間で結果が分かります。

 実はこの検査、つい最近まで自費診療のもので約45万円かかるものでした。それが2021年12月から保険適用になる……予定だったのですが、開発の遅延で現在もまだ保留になっています。

 ただ、年齢やステージ、タイプなど、一部の条件に合う場合のみ、保険適用のような位置付けの安い自己負担金で受けられるようになっており(2022年4月当時 ※実際は保険適用ではない)、私の病院ではそれが実施可能とのことだったのです。

 これまでの治療に関して、「今後の再発リスクは最小限に抑えたい」「そのための治療は今のうちにしておきたい」「できるだけ徹底的に調べておきたい」という希望が強く、さまざまな判断をしてきました。

 主治医がオンコタイプDXの検査をすすめてくれたのは、検査が安価でできるようになったタイミングであったことが一番だったかと思いますが、私の年齢や、これまでの判断の芯にあるこうした思いも多少は汲んでくれていたのだと思います。私は「もちろんお願いしたいです!」と二つ返事でやることに決めました。

遺伝性乳がんかどうかを調べる検査も

 このタイミングで、私の乳がんが遺伝性かどうかを調べる「BRCA遺伝子検査」という遺伝学的検査も受けることにしました。これは採血のみで調べることができます。

 私の身内に乳がんに罹患した人はいませんでしたが、若年層で発症したとなれば可能性はゼロではありません。もし要因が何かしら分かれば、その後の対策の仕方も変わってくるので、できれば知っておきたいと思ったのが受けた理由です。

 こちらの費用は、一部の条件を満たした場合(私の場合は、45歳以下であること)に保険適用となり、費用は約6万円でした。

 結果はどちらも約3週間後。「どういう結果になっても、私にとって必要な結果、今後の治療にとって最善な結果しか来ない」。そう思い、ゴールデンウィーク明けの朗報を期待して、さらなる結果待ち期間を過ごしました。

(島田 みゆ)

島田 みゆ(しまだ・みゆ)

1983年生まれ。社会人教育関係の会社で企画編集として11年勤めたのち、旅や食分野のライター、ヨガ講師、海外ツアーコンダクターの複業フリーランスに。コロナ禍で旅行の仕事が休業状態になり、好きな旅行ができないのであればと2022年からの海外生活を見据えていた矢先、38歳で乳がんが判明。3月に右胸全摘出手術を終え、現在も治療を続けながら、自身の経験を踏まえて多くの女性の心と体を健康に役立つ発信・活動をしたいと考えている。
ツイッター:@myuu_works
note:島田みゆ | 取材ライター×ヨガ講師×海外ツアコン