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猫9匹の練りきりが話題に 2代目店主が目指した新しい和菓子 誕生したきっかけとは

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著者:Hint-Pot編集部

東日本大震災の影響で経営悪化が続くもSNSが転機に

和菓子の日に作った南極がテーマの練りきり。まん丸のアザラシと、いろいろな方向を向くコウテイペンギンの赤ちゃんがモチーフ【写真提供:和菓子職人 三宅 正晃(@beniyamiyake)さん】
和菓子の日に作った南極がテーマの練りきり。まん丸のアザラシと、いろいろな方向を向くコウテイペンギンの赤ちゃんがモチーフ【写真提供:和菓子職人 三宅 正晃(@beniyamiyake)さん】

 新たな練りきりを次々と考案する三宅さんが和菓子職人を志したのは、先代である父が和菓子店を創業したことがきっかけ。とはいえ、「縁あってこうしてめぐり合った環境で、どのように自分の色を出せるか挑戦してみたくなり」、職人としての道を究めていくことに決めました。

 しかし、2011年に発生した東日本大震災の影響で、街の中心施設である百貨店が廃業。街中自体の客足が減り、長い間苦しい時を過ごしました。そんな中、三宅さんは2018年からツイッター(@beniyamiyake)やインスタグラム(beniya_miyake)など、SNS投稿に力を入れ始めます。

 慣れない写真撮影を辛抱強く続けていると、ある時から、伝統的な和菓子と現代的なモチーフが合わさった三宅さんの作品は注目を集め始めます。そして順調にフォロワーを獲得。特に猫や犬、アザラシ、ペンギンといった動物をモチーフにした練りきりは話題になり、ネットニュースなどでも取り上げられるようになりました。それに伴い、ECサイトも導入します。

「多い時は月に2000~3000個ほど作っています。最初は花鳥風月以外の和菓子を作ることに違和感を覚えていましたが、受け継がれていく伝統的なお菓子に今の時代に合わせた新しい発想を取り入れた菓子は、確実に人々の心を豊かにしてくれるものだと実感しました」

2月と8月にオンラインショップでも販売される6個入り(4200円)【写真提供:和菓子職人 三宅 正晃(@beniyamiyake)さん】
2月と8月にオンラインショップでも販売される6個入り(4200円)【写真提供:和菓子職人 三宅 正晃(@beniyamiyake)さん】

 三宅さんのオンラインショップでは、「猫の日」がある2月と、「世界猫の日」がある8月のみ、店頭とオンラインショップで猫の練りきりを販売(まれに季節に関係なく登場)。店頭のみ1個から購入でき、価格は1個540~600円(税込)。オンラインショップでは6個入り4200円(税込)です。

 練りきりは猫だけでなく、シュナウザーやハリネズミモチーフも大人気。また、動物モチーフの練りきりの他に、今の季節は芋羊羹や栗きんとんも好評だそうです。食べるのがもったいなくなってしまうかわいい練りきり。特別な日の贈り物としても重宝しそうです。

(Hint-Pot編集部)