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カルチャー

どの家庭にもつらいことはある…笑いとともに過ごす方法とは 温かい気持ちになる一冊

公開日:  /  更新日:

著者:関口 裕子

教えてくれた人:OliviA

ラブライフアドバイザーのOliviAさん【写真提供:OliviA】
ラブライフアドバイザーのOliviAさん【写真提供:OliviA】

 たかが家族、されど家族。うれしさや楽しさ、悲しさ、切なさなど、多種多様な感情を呼び起こす“集団”の一つです。外から見ると円満に見えても、100%問題がないと言い切れる家族は少ないもの。そうした家族との付き合い方について、折に触れて考えることもありでしょう。あらゆる分野で活動する人たちが、生き方のヒントを得た本について語るこの連載。「Hint-Pot」で性に関するお悩み相談を連載しているラブライフアドバイザーのOliviA(オリビア)さんは、「本当の親戚のように感じている」という岸田奈美さんの著書をセレクトしました。認知症や車いす生活、ダウン症といった事情を抱える家族について描かれたエッセイの数々は、その高い共感性で大きく注目されています。

 ◇ ◇ ◇

同じ家族として自分もそこにいるような感覚

 岸田奈美さんの本はこれ以外に何冊も読ませていただいています。実際にお会いしたことはありませんが、「ソーシャル親戚」とでも言いますか、本当の親戚のように感じているんです。本を読んでいると、岸田家に起きたエピソードを疑似体験しているというか、同じ家族として自分もそこにいるような感覚になります。

「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(岸田奈美著/小学館刊)
「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(岸田奈美著/小学館刊)

 奈美さんは、中学生の時にお父さまを亡くし、お母さまが車いす生活になったり、おばあさまが認知症になったりと、たくさんの困難を経験されています。また、弟さんはダウン症で知的障害があるそうです。でもそうしたことを記した本にはたくさんのユーモアが散りばめられ、テンポもいいのでスッと読めてしまう。人生にどれほどユーモアが必要なのかを教えてくれる本でもあります。

「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(小学館刊)を知ったきっかけは、SNSでバズっていた奈美さんの文章を読んだこと。奈美さんが作品配信サイト「note」で発表した「弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった」というエッセイでした。

 タイトルの通り、弟さんの万引きが疑われる一件が発生し、お母さまが“赤べこ”になるくらい謝ったというエピソードが書かれています。本当は万引きではなかった……というある事実も明らかになる内容です。私はこのエッセイを読んだ後、奈美さんが別に発表している有料記事の購読を申し込みました。

 奈美さんの文章には、そういった話が「障害者を理解しよう」といった考えからではなく、弟さんやその状況を取り囲む人たちの温かさを伝えるように書かれている。そこに引き込まれるんです。

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