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漫画

悪質クレーマー来店 “プロのお客様”が救う漫画に19万人感動「いつかやってみたい」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

漫画のワンシーン【画像提供:タジマオオカ(@pu92yu)さん】
漫画のワンシーン【画像提供:タジマオオカ(@pu92yu)さん】

 悪質なクレーマーによる「カスタマーハラスメント」が社会問題化しています。企業などによって対応が違うため、時に従業員が苦しみ深く傷つくことも。もしもそうした現場に居合わせた時、何かできたら……そんな時の参考になる「素敵なお客様に助けられた」実体験漫画が、ツイッターで19万件もの“いいね”を集め大きな話題になっています。作者のタジマオオカ(@pu92yu)さんに詳しいお話を伺いました。

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スマートな神対応を「見習いたい」という声も

 販売業に従事する傍ら、仕事や日常生活での出来事をコミックエッセイに綴り、ツイッターに投稿しているタジマさん。今回大きな注目を集めたのは、理不尽な要求を押し通そうとするクレーマーに対応していた時のエピソードです。そこに現れたのは、機転を利かせて救いの手を差し伸べてくれた、まさに“神様”のようなお客様でした。

「態度が悪い」「値引きしろ」など、ネチネチと言い続けるクレーマーに困り果てていたタジマさん。そこで声をかけてくれたのは、同じ店の上司や同僚でもなく、40代後半から50代に見える女性のお客様でした。女性は「ちょっと店員さん!」と声をかけると、「いつまでかかってるの? 5個包んでほしいのよ。急いでるんだけど!」と矢継ぎ早に話しかけます。

 さらに女性はクレーマーにも「おいくつ注文でいらっしゃるの」と注文を促しました。第三者の思わぬ介入を受け、そそくさとその場を後にするクレーマー。タジマさんは女性が助けてくれたことを察し、「お、お客様~」と返事をします。すると女性は「ああいうの大嫌いなの」と、震えるタジマさんを見つめながらそっと微笑むのでした。

 漫画がツイッターに投稿されると、何と19万件もの“いいね”が集まりました。また、リプライ(返信)には「もう50回ぐらい繰り返し読んでるけど最後のコマで何度も泣ける現役小売店員です」「たまにいるんだよ、すごくかっこいい“プロのお客様”が……!」「泣けちゃいました。こういった神なお客様は、ずーっと心に残りますよね」など、共感の声が。

 また、「いつかやってみたいです!!」「みんな、もっとクレーマーに目を光らせて積極的に店員を助けましょう」など、同じようにクレーマーに困っている店員さんを見かけたら実践したいという声も多数ありました。

リプライで知った周囲の温かな思いに「とても勇気をいただいた」

 タジマさんにその時の心境など、詳しいお話を伺いました。

Q. 今回の漫画を描いた理由を教えてください。
「先月から、接客業で働いていた時に体験したカスタマーハラスメントについてのエッセイ漫画を描いています。回を追うごとに内容が厳しいものになっていき、描きながらいつもこの素敵なお客様のことを思い出していました。そんな時に『#接客業であったすごい客』というツイッターのハッシュタグを見かけて、『タグが流れてしまう前に、この方のことを描きたい!』と思いました」

Q. 「ちょっと店員さん!」と声をかけられた時のお気持ちを教えてください。
「ハッとしました。視野が狭くなっていて、目の前の苦情を言っている人しか見えていなかったのです」

Q. 商品を用意している間、素敵なお客様とは何か会話をされましたか?
「販売に関すること以外の会話はありません。何か話すと泣き出してしまいそうで、お客様もそれを察して、静かに優しく待っていてくださいました」

Q. クレームを受ける際はいつもどのような対応をされていますか?
「商品やこちらに非がある場合とは違う、いわれなきクレームに対しては現場の従業員にできることがあまりありません。ただ真摯にお話を伺います」

Q. もしまたこの素敵なお客様にお会いできたら、どのように接したいですか?
「最高の笑顔で、言葉遣いで、自分にできる限りの最高の接客がしたいです」

Q. 印象に残っている読者のコメントなどあれば教えてください。
「ありがたく、うれしいコメントばかりです。そして、多くのコメントから、こういった状況について周囲の方々がこんなにも温かい思いで見てくださっていることを知りました。とても勇気をいただいたと思っています。感謝の気持ちでいっぱいです」

(Hint-Pot編集部)