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9年前に姿を消した猫 約1600キロ離れた場所で発見 「まさに『猫に九生あり』」
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日本では今年6月1日から、販売される犬や猫にマイクロチップの装着が義務化されました。ひと足先にマイクロチップの普及が進んでいる米国では現在、9年前にカリフォルニア州の牧場で行方不明になった愛猫が、約1600キロ離れたアイダホ州で発見されたという物語が話題になっています。飼い主の女性によると、この猫には白血病と思われる病が寛解した過去があるそうです。
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白血病の子猫を引き取り 寛解するも行方不明に
アイダホ州のテレビ局「KLEW-TV」や米紙「ワシントン・ポスト」と「USAトゥデイ」など複数の報道によると、物語の主役はかつてカリフォルニア州サンガー郊外の牧場で暮らしていたトラ猫の女の子「ハリエット」ちゃん。飼い主のスーザン・ムーアさんは愛犬家でしたが、動物保護シェルターで子猫だったハリエットちゃんと出会ったそうです。
当時のハリエットちゃんは猫の白血病と思われる病で体調不良だったため、ムーアさんは別の猫をすすめられました。しかし、ムーアさんは自分のオフィスで毎日2回投薬しながら愛情を込めて育てたそうで、「他の猫はいらなかった」と当時を振り返っています。
元気になった後は、家族の牧場にハリエットちゃんも引っ越し。先住犬たちと仲良く遊ぶなどしていましたが、2013年のある夜に忽然と姿を消してしまったそうです。
ムーアさんは広大な牧場をくまなく捜索し、近隣の動物保護施設に連絡するなど手を尽くしましたが、ハリエットちゃんは見つからず。配偶者のブライアン・エリソンさんは、コヨーテに襲われたのではないかと推測していました。
マイクロチップから身元が判明 現在は新たな里親のもとに
今年の9月19日、牧場に驚くべき知らせが舞い込みました。約1600キロ北に離れたアイダホ州クートニー郡ヘイデンの動物保護団体から「あなたの猫がうちにいます」という連絡があったのです。
ハリエットちゃんが発見されたのはヘイデンの小さな町。発見者の手でシェルターに運ばれ、そこで首の後ろに埋め込まれたマイクロチップから身元が判明しました。「行方不明になった時に、息子は8歳でした。今は17歳ですよ」とムーアさん。ハリエットちゃんは、牧場で一緒に遊んでいた犬たちよりも長生きしていることになるそうです。
連絡を受けたムーアさんは、アイダホ州に移り住んでいたきょうだいにハリエットちゃんの引き取りとカリフォルニアまでの輸送を頼みました。しかし、現在のハリエットちゃんは「イシス」と改名され、ムーアさんの許可を得たモーリーン・ライトさんと暮らしています。また、ハリエットちゃんが自分のことを覚えているのかという心配もありました。
ハリエットちゃんと暮らしているライトさんは、シェルターから医療と物資の提供を受け、里親探しが難しい老齢の犬と猫に住居を提供するボランティアをしているそうです。ライトさんはハリエットちゃんについて、「彼女は美しく威厳があり、まさに絶対的な恋人です」と絶賛しています。
高齢のハリエットちゃんに長旅をさせる必要がなくなり、ムーアさんは一安心。この先に再会する可能性はまだあるそうですが、ひとまずはブライアンさんに「彼女はまさに『猫に九生あり』よ。それは確かだわ」と語ったそうです。
(Hint-Pot編集部)