からだ・美容
“抗がん剤治療で吐く”は昔の話? 39歳で乳がんに罹患した女性 予測がつかない副作用
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10月は乳がんの早期発見を啓発するピンクリボン月間。ライターの島田みゆさんは今年2月に罹患が判明し、39歳の誕生日を迎えた直後の3月末に右胸の全摘手術を受けました。薬物療法に入った現在は、「世の女性に乳がんのことを知ってほしい」との思いでこの連載を続けています。今回はとうとう始まった約3か月間の抗がん剤治療、そして経験した副作用などについてです。(監修:みやびクリニック院長 日本乳癌学会乳腺認定医 矢加部文医師 ※本記事は調べた情報や担当医の話などを基に筆者が執筆した内容を、専門医が改めて監修したものです)
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抗がん剤治療スタート 内容と1回あたりの費用は?
私の治療スケジュールは「金曜日に抗がん剤、月曜日朝に白血球を増やす注射(ジーラスタ)を打つ」というのが基本でした。
抗がん剤によって白血球(好中球)が下がって免疫力が低下すると、感染症などにかかりやすくなります。それを防ぐ薬が「ジーラスタ」です。ジーラスタの注射そのものは一瞬で終わるのですが、これがなかなかのくせ者。「この注射の影響の方が大きいという人もいますよ」と言われていたのですが、まさに私もそのタイプでした。
しかもこの注射は保険適用でも1回で3万円を超える高級品。抗がん剤と合わせると1クール約4万5000円。3週間に1回ですが、回数を重ねていくと費用もかかりました。
投薬後1週間~10日が副作用の山場
初回の抗がん剤の投与当日や土日は「何となくだるいかな」と倦怠感があるくらいで、そこまで大きな副作用は出てきませんでした。
ただ、ジーラスタを打った月曜日の夕方くらいからだんだんと全身が痛くなり、夜になると38度を超える熱が出てきました。高熱と全身の痛みという、例えるならインフルエンザのような症状です。
2日ほどで熱が下がったかと思うと、今度は急に強い腹痛と下痢。数時間ごとに波がやってきて、その時間帯はトイレに入り浸り、まるで胃腸炎のような状態でした。それもまた2日ほどで落ち着いてくると、次は全身の痛み。筋肉痛というよりももっと中の、骨の芯が痛むため、それによって常に倦怠感がありました。
だいたい投与後1週間~10日くらいは副作用の山場です。何かしら症状が出てきて体調もいまいちなので、出かける予定を入れない、仕事をずらすなど調整が必要。ただそれ以降は、口の中がもわついたり、多少疲れやすかったりするくらいで、次の投薬までの残り10日間は体調がほぼ気にならなくなっていました。