からだ・美容
乳がんで右胸全摘手術を終えた39歳女性 抗がん剤治療を決意するまで
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約半年前、39歳の誕生日直後に右胸の全摘手術を受けたライターの島田みゆさん。「世の女性に乳がんのことを知ってほしい」との思いから、薬物療法中の現在はこの連載で実体験を綴っています。前回は、術後の治療方針を決めるために受けた遺伝子検査の詳細をお伝えしました。今回は、その結果を受けて迫られた厳しい決断についてです。(監修:みやびクリニック院長 日本乳癌学会乳腺認定医 矢加部文医師 ※本記事は調べた情報や担当医の話などを基に筆者が執筆した内容を、専門医が改めて監修したものです)
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3週間後に出た、2つの遺伝子検査結果
依頼してから約3週間後、2つの遺伝子検査の結果が出ました。
まず、遺伝性乳がんかどうかを調べる「BRCA遺伝子検査」。こちらは陰性で、遺伝性のものではないということでした。何かしらの原因が分かれば今後の対策が取れますが、発覚時同様、やはり分からないという結果に。ただ、遺伝かどうかの不安要因が一つクリアになって、安心することができました。
再発リスクと抗がん剤の有効性を調べる「オンコタイプDX」
もう一つが「オンコタイプDX検査」。この検査は、今後の治療を「ホルモン療法単独にするか」「ホルモン療法+抗がん剤にするか」……その判断材料の一つとして実施するものです。これを調べられるのはすべての乳がんが対象ではなく、ホルモンが関係しているサブタイプ(ルミナルタイプ)である、リンパ節転移なし(または少数)などの場合に限定されます。
ご存じのように、抗がん剤は強い薬です。がん細胞だけでなく正常な細胞にもダメージを与えるため、ホルモン療法に比べると大きな副作用があり、体への負担はもちろん、日常生活のさまざまな場面にも支障が出てきます。
そのためやる必要性がない、効果があまり見込めないのであれば避けたいもの。私も当然、再発予防のためにできる限りのことはしたいけれど、最低限の治療で済めば……という気持ちでした。