からだ・美容
再発リスクを極限までゼロへ 乳がんで右胸全摘した30代が抗がん剤治療を選んだわけ
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10月1日はピンクリボンデーです。今年2月に乳がんが判明し、39歳の誕生日直後の3月末に右胸の全摘手術を受けたライターの島田みゆさん。「世の女性に乳がんのことを知ってほしい」との思いから、薬物療法中の現在はこの連載で実体験を綴っています。今回は、なぜ抗がん剤治療をするという選択に至ったのか……。その判断についてです。(監修:みやびクリニック院長 日本乳癌学会乳腺認定医 矢加部文医師 ※本記事は調べた情報や担当医の話などを基に筆者が執筆した内容を、専門医が改めて監修したものです)
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できれば避けたいと思っていたけれど
前回の「オンコタイプDX」の検査の結果を元に、私は「抗がん剤治療をする」と決めました。
抗がん剤治療をするか、しないか――これは個人の価値観、治療(抗がん剤)に対する考え方によります。判断に迷う私のような結果なら、抗がん剤治療をしない選択をする人は多いかもしれません。
私自身、決して抗がん剤治療をすすめているわけではなく、どちらかといえば避けたいと思っていた方です。そんな私がなぜ抗がん剤治療をしようと決めたのか? あくまでも私個人の判断ではありますが、今後同じような状況になった方にとって何かの参考になればと思っています。
薬の効果と副作用を天秤にかけての判断
乳がん治療での抗がん剤を使うタイミングや狙いは、サブタイプや進行具合、個人の病状によって変わります。私の場合「手術では見えるがん細胞は取って転移もみられない。ただもしかしたら全身に見えない微細ながん細胞が散らばっているかもしれないから、それを失くすため」というのが目的でした。
私に提示されたのは「TC療法」という治療で、3週間に1回の点滴を合計4回、期間は約3か月というものでした。この治療で考えられる主な副作用は、脱毛、吐き気、しびれ、食欲不振、味覚障害、口内炎、下痢、全身痛、倦怠感、むくみ、爪の変色、白血球の低下、生殖機能への影響(生理が止まる、今後妊娠できなくなる)、肺炎、膀胱炎などです。
これらは必ず出るというわけではなく、逆にこれ以外の副作用が出ることもあります。こうした副作用のリスクと、主作用である薬の効果を天秤にかけてどうするかの判断でした。