からだ・美容
乳がんの抗がん剤治療 副作用の脱毛を考えて短髪に 実際にかかる時間や当日の流れは
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今年3月末、乳がんで右胸の全摘手術を受けたライターの島田みゆさん。2月に38歳で乳がんが判明してから、難しい決断やさまざまな経験を乗り越えてきました。薬物療法に入った現在は、「世の女性に乳がんのことを知ってほしい」との思いでこの連載を続けています。今回は手術後の大きな決断を経て始まった抗がん剤治療について。数ある副作用の中でも島田さんが気にしたのは「脱毛」でした。(監修:みやびクリニック院長 日本乳癌学会乳腺認定医 矢加部文医師 ※本記事は調べた情報や担当医の話などを基に筆者が執筆した内容を、専門医が改めて監修したものです)
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約3か月の抗がん剤治療がスタート
抗がん剤治療に進むと決めた翌週の5月末。いよいよ、1回目の治療が始まりました。
私の抗がん剤治療は通院で、3週間に1回、約3時間の点滴とその後の72時間以内に白血球を増やす注射を打つのがセットです。
投薬そのものは1日のみ、注射の日を含めれば2日ですが、薬の副作用から体をリカバーするための休薬期間も入れると3週間。その投薬治療期間と休薬期間を合わせて1クールとカウントし、合計4クールで期間は約3か月です。
抗がん剤治療に向けて準備したこと
抗がん剤治療にあたって一番気になったのは、いずれやってくる「脱毛」の副作用でした。もちろん治療が終われば生えてきますが、その過程でどんな気持ちになるのか想像がつかず、何とも言えない気分に。
「髪はまた生えてくるから!」と言われても、どうしても100%の気持ちで「そうだよね!」と言えない。「胸がなくなる方がよほど大変だしショックなのでは?」と思われるかもしれませんが、大きく見た目が変わる、誰からも一目瞭然という部分では、脱毛に対する抵抗感の方が大きかったのです。
手術前、腰までのロングからショートカットにしていたけれど、これがさらになくなるのか……。思い切って坊主にするのもあり、でもいきなりそこにいくのも……。そんな風にもやもやしていた時、1人の友人の言葉で一気に気持ちが晴れました。
「ツーブロックにしてみたら? 半分だけ坊主で段階踏めば、ちょっと気持ちも違うかもしれないよ」
それだ! とまさに救世主的な発言でした。さっそく「女子 ツーブロック スキンフェード 美容院」などのキーワードでネット検索。刈り上げスタイルが得意な美容院を調べて、数日後にはツーブロック+アウターカラーの新ヘアスタイルにしてみました。
3週間も経れば抜けてしまう期間限定の髪型でしたが、思いのほか自分的にしっくりきて、かつ周りからも好評。この先もツーブロックスタイルは取り入れようかなと思っているくらいです。
これ以降、1ミリ坊主、スキンヘッドと変化していくのですが、この時の悩みが嘘のように、今はすっかり楽しんでいる坊主生活。ウィッグも買ったもののほぼ使っておらず、頭をさらして過ごす日々です。
「脱毛に向けて段階を踏む」、これは個人的に本当におすすめです。髪がない自分をイメージできて心がまえができます。