セックスレスの悩みは、他人には相談しにくいもの。前回までの連載では、セックスレスになりにくいカップルの特徴や、レスで悩む女性にありがちな価値観のパターンをご紹介しました。いずれも内面に関するお話でしたが、今回はレスが深刻化する前の予防効果が期待できる、具体的な行動の一つをご紹介しましょう。ラブライフアドバイザーのOliviA（オリビア）さんによると、注目ポイントは“マンネリの種類”。マンネリ化には良いものと悪いものがあるそうです。

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性行為の良いマンネリとはお気に入りのパターン

【今回のお悩み】
「セックスレスの要因に性行為のマンネリ化があると聞きました。まだなってはいませんが、私とパートナーの性行為を考えてみると、そうなる可能性は高いかもしれません。でも、まだパートナーと話す段階ではないのかも……。今のうちにマンネリ化を予防することはできますか？」（未婚・30代男性）

　マンネリ化を予防することはできます。ただその前に、性行為におけるマンネリには良いものと悪いものがあることをご説明しておきますね。

　まず良いマンネリとは何か？　それは「この手順で行えば絶対に気持ち良さと満足が得られることが分かっている」というお気に入りパターンを指します。お互いの性感帯やお気に入りの愛撫を理解していれば、いつも同じでも満足度は高いわけです。ごはんとみそ汁のように、飽きのこない愛撫などをたくさん知っているのは良いことだと思います。

　悪いマンネリはその逆。創意工夫なく、相手のことを観察せずに、惰性的で独りよがりなお決まりパターンを繰り返すことです。こちらの場合はセックスレスの要因になる可能性が高いと思います。

　婚姻関係にある20歳から49歳までの日本人のうち、1か月以上セクシャルコンタクトがないのは51.9％というデータ（一般社団法人 日本家族計画協会調べ）があります。創意工夫がないまま進むと、多くの人がセックスレスゴールに入ってしまうような状況です。

良いマンネリに変えるには少しの変化で十分

　今回のご質問には「パートナーと話す段階ではないのかも」とありますが、レス予防は早ければ早いほど良いもの。マンネリ化してきている、または将来レスになりたくないと思うのであれば、すぐにでも話した方が良いでしょう。ラブラブだと思っている時期からの予防をおすすめします。

　悪いマンネリ要素があると感じる場合は、2人で定番にしたいお気に入りを探して、良いマンネリに切り替えていく必要があります。人それぞれ一番しっくりくる方法で良いのですが、実は激しめなものより、地味なプレイにこそ深い喜びがあるものです。

　ハードなプレイより、普段している行為を少しだけ変えるだけでも、マンネリ打破になります。丁寧なキスをする日、背中を集中的に愛撫する日など、ちょっとした変化を取り入れる。そうする中に、これまで気づかなかった性感帯や好みのプレイなどを発見できるかもしれません。いつもしていない体位にトライしてみるだけでも思う以上に効果的ですよ。

　それには「今日はいつもと違うパターンでやってみよう」と提案できる関係性、普段のコミュニケーションが大切です。レスが深刻化する前に、マンネリ打破についてコミュニケーションできる関係性を再構築しておくことが、後々のレス予防にもつながります。

　今のうちに2人のお気に入りパターンをたくさん探し、創意工夫のない悪いマンネリから脱却する。たとえレスになったとしても、2～3か月で復活させることができるケースもありますから、諦めずにトライしてみましょう。

（Hint-Pot編集部）

OliviA（オリビア）

1980年生まれ。ラブライフアドバイザー（R）、アロマセラピスト、日本性科学会 会員。学生時代に「女性の性」をテーマに卒業論文を執筆したことをきっかけに、2007年より性に関する総合アドバイザーとして本格的に活動を開始。台湾でも書籍を出版するなど、日本のみならず海外にも活動の幅を広げ、多方面で「女性のセクシュアルウェルネス」「コミュニケーションを重視した性生活」の提案を行っている。近著に「セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ」（日本文芸社）など。