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自力で“バス通勤”する名物犬が急逝 全米とバス会社が悲嘆の声「地元のアイドルだった」
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駅長や店長として活躍するなど、日本では人間のような役割を果たす動物が、その地のアイドル的存在として親しまれることがあります。米ワシントン州シアトルでは、“1人”でバスに乗車してドッグパークまで遊びに行くという、人間のような行動を取っていた犬が世界的な知名度を誇っていました。しかし残念なことに現地時間14日、病のため就寝中に他界。地元の人々をはじめ、多くのファンが悲嘆に暮れています。
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バスに乗車する人々を癒やす存在として人気に
シアトルで「バスに乗る犬」として人気を集めていたのは、ラブラドールとブルマスティフのミックスで10歳の女の子「エクリプス」ちゃん。飼い主のジェフ・ヤングさんは以前、地元で公共交通を運行するキングカウンティメトロ社のバスでエクリプスちゃんをドッグパークに連れて行っていました。
しかしある日、ヤングさんがうっかりバスに乗り損ねると、エクリプスちゃんは単独でバスに飛び乗ってしまいます。ヤングさんは慌てて次のバスに乗り、いつものドッグパークでエクリプスちゃんを発見。それからは、エクリプスちゃんが“1人”でバス通いをするのがルーティンになりました。
数々のメディアがこの“バス通勤”を報じたことで、エクリプスちゃんはあっという間に地元と全米の人気者に。これまでのニュース映像には、キングカウンティメトロ社からプレゼントされたという交通系ICカード「オルカ」を首につけたエクリプスちゃんが、バスに乗り込み乗客と交流する姿が多く残されています。
10月に入り体調不良に がんの診断を発表してから2日後に他界
2016年10月には本が出版されるなど、一躍全国区の人気者になったエクリプスちゃん。しかしヤングさんは今月に入り、エクリプスちゃんが体調を崩していることを明かしました。そして12日にはがんと診断されたことを、その2日後の14日には就寝中だった朝7時頃にこの世を去ったことを報告したのです。
訃報を受けて、エクリプスちゃんの“足”となっていたバスを運営するキングカウンティメトロ社は、公式ツイッターに「エクリプスは最高に愛らしい、世界的に有名なバス通勤犬で、シアトルのアイドルでした。すべての人に幸せをもたらし、バスと運命付けられたわんちゃんであることを示してくれました」と追悼メッセージを投稿しました。
リプライ(返信)には「職場に通う時、エクリプスに話しかけるのが大好きだったのに」「これは悲しい」「あなたのことは忘れない」「愛していますエクリプス」「銅像にふさわしい」「バスをエクリプス線に名前を変えられないのかしら」など、地元の人々から悲しみの声が集まっています。
また、同社の公式YouTubeは、エクリプスちゃんがバスで通勤する様子の動画を改めて紹介。他にもCBS提携の地元テレビ局「KIRO-TV」や英大衆紙「デイリー・メール」電子版などが次々と訃報を伝えており、広く愛されていた事実が伝わってきます。
(Hint-Pot編集部)