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ひき逃げに遭った車いすの柴犬 「世界で最もキュートな保護犬」に選出 米国で話題に
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台湾で交通事故に遭った1匹の柴犬。幸い命は助かったものの、事故の後遺症で車いす生活を余儀なくされました。そこでお迎えに名乗りをあげたのは、米国在住の女性。そうして遠路はるばる米アーカンソー州にやって来た柴犬は、新しい家族にたくさんの愛情を注がれながら幸せに暮らし始めます。そんなドラマが注目されたきっかけは、米誌の「世界で最もキュートな保護犬コンテスト」で勝者に輝いたことでした。
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台湾でひき逃げされ、麻痺の後遺症が残った柴犬
米誌「ピープル」がドッグフードメーカーの協賛で毎年開催している「世界で最もキュートな保護犬コンテスト」。2022年の勝者は、何と台湾から米国にお迎えされた柴犬でした。
同誌によると、11歳の男の子「ゴードン」くんと米アーカンソー州在住のウェンディ・ウィカーズハムさんが出会ったのは、2015年のこと。ある日のウィカーズハムさんがSNSで見たのは、台湾でひき逃げの被害に遭い、麻痺の後遺症が残ったという柴犬のニュースでした。「悲しい物語でしたが、写真の彼は最高でちょっとおかしい笑顔を浮かべていましたね」と、ウィカーズハムさんは当時を振り返ります。
数日後、SNSで同じ柴犬の顔を再び目にしたウィカーズハムさん。そこで、夫のジム・ラーソンさんと里親になることを決意し、同年7月に里親の申請を済ませました。
それからは、お迎えの準備。台湾から米国の自宅までの引越し手続きや専属トレーナーの手配、車いすのゴードンくんが動けるようにするための改装、麻痺がある犬のケアについての学習など、「100パーセントの状態で迎えるべきだった」そうです。
やがて11月、ゴードンくんはアーカンソー州の夫妻宅に到着。最初の数週間は新しい環境に馴染めない様子でしたが、ボール遊びなどで次第に慣れていきました。
普段は屋外の岩場や小川で疾走するほど活発なゴードンくん
このドラマチックな物語が注目されたのは、同誌が主催する「2022年世界で最もキュートな保護犬コンテスト」。ゴードンくんは9000匹以上の保護犬を抑えて栄冠を勝ち取りました。商品はドッグフード1年分と、飼い主夫妻が指定した動物保護団体への寄付など。1000ドルの寄付金は、もちろん大会側が支払います。
ウィカーズハムさんによると、ゴードンくんはクッキーを食べることが大好き。また、飼い主夫妻の話も理解しているそうです。普段は屋外の岩場や小川で疾走するほど活発で、車いすは強度を高めた特注ものを使用しています。
「私はゴードンを人前に出して、人々にこの成功を見せることが大好きです。そして知ってもらいたい。いくつか違う部分はあっても、違っていることが悪いことではないと。それによって立ち止まる必要もなければ、人生を満喫する妨げにもならないのです」
そう語るウィカーズハムさん。車いすで元気に遊ぶゴードンくんの姿には、学ぶべきことがたくさんあると言えるでしょう。
(Hint-Pot編集部)