「お前変わったな」と言いながらも、優しく接してくれる友人

　自分が体験したことを漫画でリアルに表現し、大きな反響を呼んだ作者さん。実際の学生生活で感じていたことや、当時の友人たちとの現在の関係などについてお話を伺いました。

Q. 「姫ポジ」を知ったきっかけは？
「漫画を描く上で男子校の同級生にたまに連絡を取ってネタ集めをしています。その時にある友人から『予備校に通っていた時に、クラスに「姫ポジ」の男子がいたけど、コンテくんで見慣れてたから弱く感じた』という話を聞いて、『……「姫ポジ」って何？』という感じになり（笑）。その時に初めて知りました」

Q. 「姫ポジ」ならではの悩みはありましたか？
「かわいがってもらえた一方、からかわれることもありました。でもそういう人を除いて、同級生や先輩・後輩に恵まれていたこともあって『まぁいいかー』といった感じでスルーしていましたね（笑）。気にしいな性格ではあるんですが、かわいがられていたおかげで自己肯定感が高くなっていたのか、特に悩まなかったです。

　むしろ、『これからもかわいがってもらえるように、周りの人を大切にして、迷惑かけないように成長しなきゃ……』と心に決めていました（笑）」

Q. 「姫ポジ」を楽しむためのコツがあれば教えてください。
「膝に乗せられたりすることもありましたが、何も考えずに能天気に座っていました……（笑）。たぶん、異性の目もないので、細かいことが気にならなくなるんだと思います。もちろん、そういうことをまったくやらないタイプの人もいたので、そういうのは何となく肌で感じ取っていました。『この人の膝には座っちゃダメだな』みたいな（笑）。

　あくまで“ポジションをいただいている”身なので、『謙虚さ』と『空気を読む』ことは大事だと思いますね」

Q. 高校時代の友人たちと会う時、今も変わらず「姫ポジ」と扱われますか？
「『お前は変わらないな』や『でもやっぱ老けたな』とかいろいろ言われますが、基本的にみんなあの頃のように優しく接してくれますね。さすがにもう膝の上には乗りませんが（笑）」

Q. 心に残った感想や、気がついたことを教えてください。
「『俺の男子校にも「姫ポジ」いました』や『共学だけど姫がいた！』などの他、男子校に勤務する方からも『確かに姫はいました』という声もありました。一方で、『6年間男子校だったけど「姫ポジ」なんてなかった』みたいな反応もあったので、『姫ポジ』はニッチな存在だったんだなと改めて思いましたね。世代や学校によって変わってくるのかもしれません。

　異性がいない環境に身を置くと、今まで異性が担っていた役割が回ってきて、いろいろなポジションが生まれることもあるのかもしれませんね。男子校では『姫ポジ』の他に、聖母のような『母ポジ』がいたという声もありました」

○取材協力：コンテくん｜漫画家（@conte_kun）さん

（Hint-Pot編集部）