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本場のハロウィンに存在する“暗黙のルール” 由来は数千年前の祭事 仮装する理由は?

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ハロウィンといえばカボチャ。元はカブが使われていた(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
ハロウィンといえばカボチャ。元はカブが使われていた(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 10月末になると、カボチャの飾りや仮装コスチュームを見かけることが増えます。近年は日本でもすっかり人気イベントになった「ハロウィン」。飾り付けや仮装を何となく楽しんでいる……という人は多いかもしれませんが、実は長い歴史があります。その起源をさかのぼると何と数千年前、ケルト民族の祭事に至るのだとか。今さら聞けないハロウィンの基礎知識をご紹介します。

 ◇ ◇ ◇

発祥はケルト民族の祭事 死者の世界と最も近づく日

 ハロウィンといえば米国の印象が強いかもしれませんが、その原型は英国やアイルランドで暮らしていたケルト民族の催事「サウィン」といわれています。夏の終わりを意味する「サウィン」は収穫期の終わりと冬の始まりのことでもあり、ケルト民族にとっては新年にあたるそうです。

 この日は現世と死者の世界が最も近づき、死者が戻ってくる日とされました。しかし、中には歓迎されない死者なども戻ってくる可能性があるため、生者たちは連れて行かれないように焚き火の灰で顔を黒く塗るなど死者のふりをしたそうです。これが仮装の原点と考えられています。

カブからカボチャへと変わった「ジャック・オー・ランタン」(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
カブからカボチャへと変わった「ジャック・オー・ランタン」(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 カボチャをくり抜いて目や口を作る「ジャック・オー・ランタン」は、アイルランド民話の「ケチなジャック」が由来といわれています。生前に罪を重ねたジャックは地獄からも追放され、くり抜いたカブに地獄の真っ赤な炎を灯して、この世とあの世の境をさまよい続けているのだそうです。

 やがて米国への移住が始まると、ハロウィンの伝統も海を渡りました。米国で手に入りやすかったカボチャがカブの代わりになり、現在の「ジャック・オー・ランタン」になったとされています。

「トリック・オア・トリート」にもマナーあり 非常識な行動は厳禁!

お菓子をねだる風習にもルールが(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
お菓子をねだる風習にもルールが(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 ハロウィンの定番フレーズといえば「トリック・オア・トリート」。「お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ!」という意味で、仮装した子どもたちがこのフレーズを唱えながら近隣の家を回り、お菓子をねだるという風習が有名ですね。ただし、この風習がある欧米では“暗黙のルール”がいくつか存在します。

 例えば、お菓子をあげる準備をしている家は玄関の照明をつけておくことや、訪問する側は仮装すること、暗くなってから遅くとも午後9時頃までに訪問すること。州や市町村ごとに未成年者の外出可能時間が決められているため、その時間内で最大限に楽しみます。

 お酒をたしなめる成人が気をつけたいのは、欧米には野外での飲酒が禁止されている国も多くあること。また、ハロウィンの日を境に冬時間が始まる国もあり、アルコールの提供時間が決まっているお店などでは注意が必要です。日本では仮装がすっかり市民権を得ていますが、決められたルールの中で楽しく過ごしたいですね。

(Hint-Pot編集部)