からだ・美容
抗がん剤治療中はどんな生活? 乳がん手術後の39歳女性が語る食事・仕事
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自主的に講じた対策は? 1日30分の散歩も日課に
特に制限がない状況でも、体調がいまひとつの時は「どこかに行きたい」「ごはんを食べに行きたい」とも思わないもの。私は特に、お腹の調子が心配だったことと、毎回体中が痛くて強い倦怠感期間があったので、投与後の2週間はほぼステイホームでした。最後の週(=次の治療の1週間前)は回復するので、そこだけ予定を入れるというサイクルです。
<自主的な対策>
○コロナと同じく、一般的な感染対策(手洗い、うがい、マスク)をしっかりする
○人の多いところ(場所や店、特に室内)には行かない
○生もの(寿司、刺身など)はできるだけ控える
○刺激物は食べない
○公衆浴場(温泉、銭湯)やプールなど、不特定多数の人が使用する施設は衛生的に控える
その他、そもそも体力や筋力を低下させたくないと思い、多少体が痛くて体調が悪くても、できるだけ1日30分の散歩をするようにしていました。また、ゆっくりお風呂に入って体を温めてゆるめたり、できるだけ早めに寝たり。「無理しない」ことを意識しながら過ごしていました。
コロナ禍での自粛生活が奏功 心理的にも楽に
常に感染対策をする、人と会えない、出かけられないといった治療中の細かい制限は、何でもできていた日々とは大きく違うので、本来であればかなりつらく感じたと思います。ただ、そこはコロナ禍というタイミングが良いように影響したと感じました。
それまでの自粛期間で、自宅で過ごすことや人と会わないこと、出かけないことに慣れていました。また、基本的な感染対策の行動も日常の一部。私的には丸刈りを隠すためでしたが、見た目的に夏にマスクや帽子をしていても違和感がありません。
実際に出かけなくてもネットで大抵のものは買える、家の中で映画やライブなども楽しめる、人ともオンラインで話せる、オンライン上だけで仕事ができるなど、自分の生活はもちろん世の中も大きく変化しています。体調さえ除けば、治療で生活が激変したという感覚はさほどありませんでした。
もちろん、療養生活と単なる自粛生活は違いますが、それでも以前のような生活や社会状況の中での治療よりは生活面での制限やストレスが少なく、心理的にも楽に乗り切れたのではないかと思います。
(島田 みゆ)
島田 みゆ(しまだ・みゆ)
1983年生まれ。社会人教育関係の会社で企画編集として11年勤めたのち、旅や食分野のライター、ヨガ講師、海外ツアーコンダクターの複業フリーランスに。コロナ禍で旅行の仕事が休業状態になり、好きな旅行ができないのであればと2022年からの海外生活を見据えていた矢先、38歳で乳がんが判明。3月に右胸全摘出手術を終え、現在も治療を続けながら、自身の経験を踏まえて多くの女性の心と体を健康に役立つ発信・活動をしたいと考えている。
ツイッター:@myuu_works
note:島田みゆ | 取材ライター×ヨガ講師×海外ツアコン