からだ・美容
乳がんの抗がん剤で髪はどう抜ける? 39歳女性が語るリアル 実践したケアと対策は
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10月はピンクリボン月間として、乳がんの正しい知識を広め、検診を呼びかける催しなどが多く開催されます。島田みゆさんは今年2月に罹患が判明。39歳の誕生日を迎えた直後の3月末に右胸の全摘手術を受けました。現在は薬物療法を受けながら「世の女性に乳がんのことを知ってほしい」という思いでこの連載を続けています。今回は抗がん剤治療における副作用の中でも、特に多くの患者が気にするという脱毛について。抜け始めるタイミングや抜け方など、経験者のリアルをお伝えします。(監修:みやびクリニック院長 日本乳癌学会乳腺認定医 矢加部文医師 ※本記事は調べた情報や担当医の話などを基に筆者が執筆した内容を、専門医が改めて監修したものです)
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抗がん剤治療による最大のアピアランス問題「脱毛」
抗がん剤治療で気になっていたことの一つ「脱毛」。以前の連載でもお伝えした通り、私は友人や経験者の方のアドバイスを元に“段階を踏む”という策で一歩前に進むことができました。
しかし、実際に抜けるまではドキドキでした。すべての抗がん剤で必ず髪が抜けるわけではありませんが、私が使った乳がんの抗がん剤は、見た目(アピアランス)の大きな副作用の一つとして「脱毛」があったのです。そのため、影響は確実にあるとされていました。
抜け始めたのは、投与から10日~2週間後
脱毛は抗がん剤の投与を始めてすぐに起こるわけではなく、投与した日から10日~2週間後くらいから。それまでまったく変化はありませんでした。
私は初回の投与から10日後くらいで、入浴中に「ちょっと抜ける量が多くなってきたかな……?」と感じ始めました。そしてそれがスタートの合図と言わんばかりに、翌日からはもうじゃんじゃん(笑)。
覚悟はしていたものの、ごそっと抜けることにはショックも。ただそれより、“抜けている”感覚はないのに手ぐしを通すととめどなく抜けるという状態がまるでホラーのようで、少し恐ろしい感じすらしました。いつまでも抜けるので、一体いつシャワーを止めればいいのか分からず困ったものでした。
脱毛し始めで大変なことは掃除
そしてシャワーの後にやってきたのが、ドライヤー問題です。乾かす度にこれまたじゃんじゃん抜けるので、ドライヤーの風が向かう方向、すなわち私の背面の床は髪だらけ。拾っても拾ってもきりがないのです。
3日目くらいにはもっとひどくなり、私が動くところ、家中髪の毛だらけ。帽子をかぶっていましたが、脱ぐとまた大量に抜けます。シャワーキャップもしていたのですが、数時間かぶっていると蒸れてまって、暑さと汗で最悪な状態に。
この抜け始めの時期の髪拾い掃除が、私には相当なストレスになりました。病院の売店では、飲食店の厨房などで使われる不織布製のネットキャップが売られていたので購入を迷ったのですが、抜ける前に買っておくべきだったと後悔しました。