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友人がオープンに“性体験トーク”…同調しなきゃダメ? 性について語ることの意味とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:OliviA

困った時に相談できる心強い存在。性の話もできるに越したことはない?(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
困った時に相談できる心強い存在。性の話もできるに越したことはない?(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 カフェなど公共の場で、オープンに性の話をしているグループをたまに見かけることがあります。そこで居心地悪そうにしている人も……。性の話を楽しむ人がいる一方、苦手意識を感じている人は少なくないのかもしれません。性に関するお悩みに、ラブライフアドバイザーのOliviA(オリビア)さんが答えるこの連載。今回は「性について話すこと」をテーマに、楽しめないタイプの女性から寄せられたご相談を取り上げました。

 ◇ ◇ ◇

性の話といっても種類はいろいろ 相談できる相手はいた方がベター

【今回のお悩み】
「先日、高校時代の友人たちと4人で旅行した時、夜に部屋で性行為に関するトークが始まって驚きました。体験談を披露する流れになり、個人的に抵抗があったので『特に何もない』と返しましたが、『今はそういう時代じゃない』『女性が語ってもいいんだよ』と言われてますますびっくり。確かにドラマや映画の世界では性行為を語るキャラクターは多く、それに対する嫌悪感はありません。でも、私のような一般人もそうするべきなのでしょうか? また、語ることで何かメリットがあるのでしょうか?」(未婚・20代女性)

「性の話はオープンにした方がいい」というのが一つの考え方だとすれば、「話したくない、秘めごとにしておきたい」というのも一つの価値観。「話したくない」という考え方は否定されるものでもありませんし、もちろん無理やり話す必要もありません。

 ただ、性の話といってもいろいろ種類があります。健康やパートナーとの関係性に関する性の話などは、困った時に相談できる人がいると心強いもの。性についての相談は、できる相手がいるに越したことはありません。

 パートナーに性行為を強要される、セックスレスであるなど、必ずしも友人に打ち明ける必要はありません。2人の間で起きていることを、パートナーの許可なくオープンにしてしまうと、プライバシーの侵害になってしまう可能性もあります。その辺りが心配だという方は、友人ではなく、守秘義務がある性の悩みの専門家に相談されることをおすすめします。

 性について話すことは、とても自然な行為。その時はぜひ、ネガティブな気持ちにならずにお話しいただければいいなと思っています。

実はとても大切…性の話ができる人間関係

 性についてオープンに話すことには、メリットもあります。性に限らず、悩みを溜め込みすぎるのは危険といえるでしょう。困ったことがあった時、気軽に相談できる、または相談してくれる友人がいるのは、とても大切なことです。

 一般的にはまだまだ“タブー視”されている性の話。その話ができる相手とは、ある種の信頼関係が築けているのではないでしょうか。そういった友情が持てていることを実感すると、幸福度も増すと考えられます。お互いに秘密を守れ、「この人は相談できる人物である」という人間関係は、一生の財産にもなるでしょう。

 また語ることで、自分一人の問題だと思っていたことが意外に普遍的であることや、状況的に増えている事態であると気づくことも。それが対処方法を知る糸口になったり、気持ちが楽になったりすることもあります。結論は出ないまでも、自分の考えを整理する役割を果たしてくれるかもしれません。

 自分語りには、肩の荷を下ろすというカタルシス効果もあります。信頼できる人への自分語りで、少し気持ちを落ち着かせることができるかもしれません。また以前に友人から聞いた話が自分の身に起きた時、対処のヒントになることも。「ちょっと相談してみよう」と、その友人が頼れる相手になるかもしれません。

 専門家の門を叩く方には、「誰にも言えない」という状況で悩みを深めている方が多いものです。愚痴や深刻ではない段階の悩みとして話せる相手がいるのは、精神面のケアやバランスを保つという意味で、とても大事なことだと思います。

 もちろん話をするのが苦痛であるなら、積極的に加わる必要はありません。一方で、困った時に相談できる、性の話ができる友人の存在は、歳を経るにしたがって大きな存在になるのは間違いないでしょう。

(Hint-Pot編集部)

OliviA(オリビア)

1980年生まれ。ラブライフアドバイザー(R)、アロマセラピスト、日本性科学会 会員。学生時代に「女性の性」をテーマに卒業論文を執筆したことをきっかけに、2007年より性に関する総合アドバイザーとして本格的に活動を開始。台湾でも書籍を出版するなど、日本のみならず海外にも活動の幅を広げ、多方面で「女性のセクシュアルウェルネス」「コミュニケーションを重視した性生活」の提案を行っている。近著に「セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ」(日本文芸社)など。