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同階のお宅に空き巣…怯えるタワマンマダム プロが指摘する“犯罪多発物件の共通点”

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

通常のマンションや戸建てより安全? 唯一の問題は“立地”にあり

 今回もお悩みに対するアドバイスは、「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さん。

「まずこれだけは言っておきます。犯罪に関しては、タワマンだからどうこうということはありません」

 姉帯さんによると、やはりタワマンの方が窃盗被害に遭いにくいといえるのだそう。

「通常のマンションや戸建て住宅よりも、タワマンの方がセキュリティはしっかりしていると思います。ですから、どちらの方がこうした犯罪被害に遭いにくいかと聞かれたら、『タワマン!』と答える自信がありますね。

 ただし問題は、そのタワマンが建っている『場所』。都内の某タワマンは、少々治安が悪いエリアにあるためか犯罪が後を絶たず、賃貸価格を下げても入居者が決まらないという負のループに陥っています。また、東海エリアの某タワマンは、高級車の窃盗が相次いでいて、住人が困り果てているとか」

 もちろん、すべてのタワマンがそうした犯罪に脅かされているわけではないのだそう。

「犯罪被害は、治安が悪い場所や犯罪後に逃げやすい場所のタワマンに偏っているのが現状です。価格や間取りも大切ですが、せっかく高いお金を出して住むのであれば、立地にこだわることも大切だと思います。警察署や交番が近い、学校などが近くにあり治安が良いといったエリアの物件を選ぶようにしてください」

建物のセキュリティが高くても自衛は大切 普段から防犯意識を

 では、今回お悩みを打ち明けてくれた杏里さんの場合はどうなのでしょうか。

「杏里さんがお住まいのタワマンでは、ここ10年での窃盗被害が1回。普通に考えるとこれ、かなり優秀なのではないでしょうか。ピンポイントでその部屋に侵入したとすれば、事情を知っている者の犯行だった場合もあり得るでしょう。杏里さんが怖がる必要はないと思います。高級自転車の件は、そうした侵入窃盗とは別の話というか、たまたま発生したという感じもしますね。

 とにもかくにも、自衛することが大切です。たとえ数分であっても、部屋を空ける際はカギをかける。寝る時は窓にもしっかりカギをかける。不審者を見かけたら警備に連絡をする。そうした心がけ一つで、犯罪被害に遭う確率は低くなると思います」」

 マンションでも一軒家でも、完全に安全という状況はあり得ないもの。やはり最終的に大切なものは、自衛の心がけといえるでしょう。

(和栗 恵)

姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)

「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。