ホテルやおしゃれなカフェでアフタヌーンティーを楽しむ活動、「ヌン活」。今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされ、SNSでも大いに盛り上がりを見せています。しかし、正しいマナーやドレスコードなどで悩む人もいるでしょう。そこで、ヌン活を存分に満喫するための基礎知識やマナーについて、ホテルのエキスパート、小林千花さんに解説していただきました。

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3段のケーキスタンド　食べる順番は？

　アフタヌーンティーとは、英国発祥の茶会の習慣であり、英国の貴族たちを中心に行われていた夕方のティータイムのことです。日本でもラグジュアリーホテルを中心に、季節に合わせたアフタヌーンティーを楽しむ人が増えています。今回はそんなアフタヌーンティーの時に覚えておきたい基礎知識やマナーについてご紹介します。

○お料理について
　アフタヌーンティーは、一般的に3段のケーキスタンドで構成されています。お店によってメニューは異なりますが、最上段はケーキやゼリーなどのデザート、中段はキッシュやパイなどの温料理、下段はサンドイッチ、別添えでアミューズ（一口大のオードブルなど）やスープ、スコーン、ジャムやクリームが付いてきます。

○食べる順番
　アフタヌーンティーは、ケーキスタンドの下段から順番に食べていくのがルールとされています。サンドイッチは軽い具材から重い具材の順に食べます。また、お皿の中で食べる順番は決まっていませんが、お皿の中で食べる順番に迷った時は、色の薄いものから濃いものの順にいただくようにしましょう。

○飲み物
　　アフタヌーンティーの特徴の一つでもある飲み物。紅茶以外にもコーヒーやジュースなど、数十種類のドリンクを用意しているところもあります。基本的に、飲み物は何杯でもおかわりできることになっていて、その都度、飲み物を変えても大丈夫です。しかし、同時に数種類の飲み物を頼むのはマナー違反です。飲み終えそうになったタイミングで次の飲み物を頼むようにしましょう。また、紅茶を飲む時は、ソーサーをきちんと持って飲むと優雅で品が良く見えます。

※お店によってはシステムが違うことがありますので、事前に確認しておきましょう。

ヌン活を楽しむために　知っておきたい基本マナー

　いつもよりおしゃれをしてアフタヌーンティーを楽しみたいところですが、服装によってはマナー違反になってしまうことも。また、食べ方のマナーを知らないと恥ずかしい思いをしてしまうかもしれませんよね。基本的なマナーもしっかり押さえておきましょう。

○食べ方のマナー
　ケーキスタンドのお皿は、ティーフード（料理）を飾る器です。食べる時は、ケーキスタンドから自分の目の前に置かれた取り皿に料理を取り分けていただくようにしましょう。また、ケーキスタンドから手で取って直接口に運ぶのはマナー違反です。取り分ける時は、ナイフやフォークを使うと良いでしょう。

　スコーンもサンドイッチと同じように、ナイフとフォークで取り皿に。スコーンは、そのままかぶりつくのではなく、手でちぎって食べるのがマナーになります。ジャムやクリームはたっぷり塗っていただくのが英国式です。

○服装のマナー
　服装に関しては、露出を控えた清潔感のあるスマートカジュアルの服装が好ましいです。基本的には、レストランに行く服装であれば問題ありません。女性はワンピースに、足元はストッキングなどをはいて素足を出さない方が良いでしょう。男性は、スーツやネクタイまでは必要ありませんが、シャツやジャケットに革靴を履くとスマートです。

　服装や食べ方などいろいろなマナーがあり、難しそうに感じますが、最低限のマナーをしっかり押さえれば、安心して楽しむことができます。事前に知識やマナーを身につけて、思う存分ヌン活を満喫しましょう。

（小林 千花）

小林 千花（こばやし・ちか）

1995年10月3日、東京都港区生まれ。2018年から生島企画室に所属し、舞台を中心に俳優として活動。株式会社ファーストキャビンHD取締役。「美人百花」（角川春樹事務所発行）の専属読者モデル。特技は「一度お会いした人の顔と名前を覚えられる」。趣味はホテルめぐり、宝塚観劇。「利き酒師」の資格も持っている。身長155センチ、血液型O。