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「10年前に食べた定食を探して」 ホテルのコンシェルジュに何をどこまで頼める?
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初めて訪れた旅先。おいしいディナーが食べられるお店やおすすめの観光スポットなどを事前に調べてこなかった……という時にぜひ頼ってほしいのが、宿泊しているホテルのコンシェルジュです。存在を知っていても、何をどこまでお願いできるのかは知らない方も多いでしょう。そこで、ホテル創業者を曽祖父に持ち“ホテル一家”に生まれ育ったホテルのエキスパート、小林千花さんがレクチャー。連載第4回のテーマは、知っておきたいコンシェルジュのサービスです。
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知っているようで知らない コンシェルジュの仕事
コンシェルジュデスクに専任のコンシェルジュがいる場合や、フロントがコンシェルジュを一任しているなど、ホテルによってコンシェルジュサービスはさまざま。中には「ホテリエ(ホテルで働く人)全員がコンシェルジュ」宣言をしているホテルもあります。
コンシェルジュの仕事は、お客様からのご要望にお応えすること。「この土地ならではの食事ができるお店はどこ?」「近場の観光コースを考えてほしい」といった観光についてのリクエストから、「空調が効かない」「電気がつかない」などのお部屋に関する困り事、「舞台のチケットを取ってほしい」「明日の飛行機を手配してほしい」といった予約取得など、多岐にわたります。
時には、「プロポースの言葉を一緒に考えてほしい!」というお客様のお手伝いをすることも……。これはコンシェルジュの方が実際にあったと語る驚きのリクエスト。また、外国人のお客様からは「10年前に東京で食べた定食をもう一度食べたいからお店を探してほしい」という依頼があったそうです。
手がかりは、定食の写真1枚のみ。このような難題にも応えるのがコンシェルジュです。こうした時に大切になるのが、コンシェルジュ同士の連携なのだとか。その方は、世界80か国以上で4000人の選ばれしコンシェルジュが加盟するネットワーク組織「レ・クレドール」に加盟していたので、コンシェルジュネットワークを駆使して写真の定食屋さんをわずか1日で探し当てたそうです。
まるで探偵のような仕事ぶりにも思えますが、難題にもできる限り応えるため、同じホテル内のコンシェルジュ同士で連携するのはもちろん、ホテルという枠をも超えて、世界中のコンシェルジュ同士で情報共有をしていることもあるようです。