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二十四節気「小雪」の意味と読み方は? 2023年はいつ? 食べ物も解説
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「小雪(しょうせつ)」とは、古来季節の移り変わりを目安としてきた二十四節気の一つ。わずかに雪が降り始める頃を指します。雪といっても、まだ積もるほど降らないことから「小雪」とされたようです。日を追うごとに冷え込みが増して、年の瀬を前にお歳暮や年賀状の準備をするのもこの期間でしょう。
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小雪とは 二十四節気での意味と読み方
小雪は二十四節気の一つで、「こゆき」ではなく「しょうせつ」と読みます。二十四節気とは、太陽の動きに合わせて1年を春夏秋冬の4つに分け、さらにそれぞれを6つに分けたもの。現在でも冬至や立春、春分など、季節を表す言葉として用いられています。
二十四節気は立春から始まり、小雪は20番目。冬の兆しを感じ始める立冬から約15日目にあたり、山などには雪が見られる頃です。この頃にぱらぱらと降るにわか雨を「時雨(しぐれ)」といいます。一時的な通り雨に、昔の人は無常さを感じ、和歌にも多く詠まれてきたようです。
2023年の小雪の期間は?
2023年の小雪は、11月22日から12月6日です。二十四節気は太陽の動きに合わせて1年を24等分するので、日にちは一定ではなく、その年によって1日程度前後します。小雪の次は「大雪(たいせつ)」です。
小雪の時期にある習わし
小雪の頃にある行事や風習は次の通りです。
○新嘗祭(にいなめさい)
「新」は新穀(初穂)、「嘗」はごちそうを意味するといわれています。宮中行事の一つで、11月23日に新穀を神様に供えて感謝する祭です。全国の神社で行われます。現在は「勤労感謝の日」と呼び名が変わっていますが、収穫を祝い感謝する気持ちは同じです。
○酉の市
酉の市とは、江戸時代から続く、関東を中心とした各地の鷲(おおとり)神社の年中行事。11月の十二支の酉にあたる日に「酉の市」が立ち、縁起物がたくさんついた熊手が売られます。新年の開運招福や商売繁盛を願う祭として親しまれています。
酉の日は12日ごとにめぐってくるので、年によっては3回ありますが、2023年の一の酉は11月11日、二の酉は11月23日です。
小雪の移り変わり
二十四節気の1つの節気(約15日)をさらに3つ(約5日)に分けた時期を、七十二候といいます。古くから伝わる日本特有のリズムを感じ取ることができる区分で、小雪の期間の移り変わりは次の通りです。
○初侯「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」
11月22日頃。日差しが弱まり、空気が乾燥するため、虹を見かけなくなる時期です。「蔵」は「潜む」という意味。北陸では「冬季雷(とうきらい)」と呼ばれる雷が増えてきます。
○次侯「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」
11月27日頃。冷たい北風が、木々の葉を払い落す時期です。「朔風」の「朔」とは「北」の意味で、木枯らしのこと。朔風によって葉が落ちた木々を「冬木立(ふゆこだち)」といいます。
○末侯「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」
12月2日頃。橘とは日本原産の柑橘類で、温州ミカンの原種です。酸味が強くて食用には向きませんが、葉が枯れることがない常緑樹で、古くより永遠の象徴とされてきました。
小雪の時期においしい食べ物
小雪の時期に旬を迎える食材には、風邪の予防に役立つ栄養を含むものがたくさんあります。
○ホウレン草
別名「冬葉」。冬獲りは夏獲りに比べてビタミンCが3倍といわれています。冬の冷え込みで糖度もアップ。
○白菜
鍋料理の具材として欠かすことができない野菜の一つ。ビタミンCが多いのも特徴で、風邪や免疫力が気になる冬の時期の食卓にぴったりです。また食物繊維やカリウムなども含まれています。
○ミカン
コタツに入って食べたい冬の果物。免疫力を高めることが期待されるビタミンC、またカロテンを多く含むのも特徴です。こちらも風邪が気になる季節に適しています。
【参考】
「365日を豊かに過ごす 日本の四季、二十四節気、七十二候」(宝島社)
「にっぽんの七十二候」(エイ出版社、エイはきへんに「世」)
「絵で楽しむ 日本人として知っておきたい二十四節気と七十二候」水野久美書(KADOKAWA)
「日本のしきたりがまるごとわかる本」新谷尚紀監修(晋遊舎)
国立天文台「暦Wiki」七十二候
(鶴丸 和子)
鶴丸 和子(つるまる・かずこ)
和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
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