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紅葉見物はなぜ「紅葉狩り」と呼ばれるのか? 色付きが毎年違う理由は気候にあり

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

紅葉狩りの季節(写真はイメージ)【写真:写真AC】
紅葉狩りの季節(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 11月に入り、本格的な紅葉の季節を迎えました。日本気象協会が1日に発表した「紅葉見頃予想(第3回)」によると、2022年の見頃は全国的に平年並み。東日本の紅葉時期は、山間部で10月中旬から12月上旬にかけて、平野部で11月中旬から12月中旬にかけての見込みのようです。「紅葉(モミジ)狩り」の予定を早速立てたくなりますが、なぜ紅葉を見に行くことが「狩り」と言われるのでしょうか。モミジとカエデに違いはあるのかなど、今の時期に知っておきたい豆知識をお届けします。

 ◇ ◇ ◇

「紅葉狩り」とは…いつから始まった?

 秋の行楽として「紅葉狩り」を予定に入れている人も多いでしょう。紅葉狩りとは、主に赤や黄色に色付いた落葉樹の葉を眺めて楽しむことをいいます。

 一説によると、その起源は奈良時代から室町時代に貴族たちが行った晩秋の楽しみの一つにあるとか。野山に出かけ、紅葉を見ながら和歌を詠み酒宴を開いていたことが、「紅葉狩り」の始まりとみられています。

 江戸時代になって庶民にもその風習が広がり、山に足を運び紅葉を楽しむ行事として定着していきました。現在でも「紅葉狩り」の風習は受け継がれ、名所へ出かけて絶景を楽しむなど、季節を感じる代表的なイベントです。

“粋な言葉”で表現? 「紅葉狩り」と呼ばれる理由とは

紅葉で色付く山(写真はイメージ)【写真:写真AC】
紅葉で色付く山(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「狩り」というと、獣や小動物の狩り、または梨狩りやキノコ狩りなど、何かを捕まえたり、採りに行ったりするイメージがあります。同様に「紅葉狩り」も「紅葉を採りに行く」意味ととらえがちですが、実はそうではないようです。

「紅葉見」ではなく「紅葉狩り」となった由来には諸説あります。野山に出かけ、季節の恵みを探し求めることが「狩り」と呼ばれることから、季節の草花を観賞する行為にも使われるようになったとの説が一つ。

 また当時、貴族の間では土の上を歩き回ることが「品のない振る舞い」と考えられていたため、紅葉を見るためにわざわざ山へ出かけ歩き回ることを「狩り」という“粋な言葉”で表現したという説などがあります。