社会や人物のある面を誇張して描き、批判的な見方を表現する「風刺画」。1コマの作品も多く、見る側には描かれたポイントを読み解くという楽しみがあります。ツイッター上でもそんな風刺画……ではなく、日常を収めた写真が話題です。手前のポメラニアンはお札をくわえてカメラ目線、後ろの赤ちゃんは号泣、そのまた後ろには背中を向けている大人。「風刺画みたい」と大喜利状態になった一枚が、何と17万件超の“いいね”を集めています。飼い主さんに詳しいお話を伺いました。

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情報量が多い！　一枚の写真からさまざまな考察が…!?

　ポメラニアンの男の子で9歳の「わびすけ」くんは、白っぽい薄いクリームの毛色がチャームポイント。お名前の由来は、千利休が好んだ花としても知られる白い椿の「白侘助（しろわびすけ）」なのだそう。成犬になったポメラニアンの平均体重2.5キロ程度とされていますが、5キロとちょっと大きめです。

　同居家族は、飼い主さんご夫妻とそのお子さんたち3人。今回話題になったのは、そのにぎやかな暮らしのワンシーンを切り取った“はずの”一枚でした。

　まず目を引くのは手前、カメラ目線でなぜか千円札をくわえているわびすけくんです。その後ろに目をやると、同じくカメラ目線で泣き叫んでいる赤ちゃん。そのさらに後ろには、賑やかな状況に背中を向けて知らんぷりしている大人が。何ともシュールで情報量の多い一枚です。

　そこで飼い主さんはこの写真をツイッターに投稿。「何かの風刺画みたいなの撮れた」というメッセージを添えました。すると、17.7万件もの“いいね”が。リプライ（返信）には「どういう状況だよwww」「情報量多すぎ」「このネタ好きww」「声出してワロタ」「状況が飲み込めないので説明してほしいけど面白いです」など、シュールな状況に爆笑する声が続々と届いています。

　また “風刺画”の意味を読み取ろうとする声も多く、「行きすぎた生類憐れみの令」「タイトル　税金徴収」「タイトルは『資本主義のイッヌ』」など、大喜利状態。「若い子からお金ふんだくる国家のいぬみたいな解釈」「社会のいぬとして生きればお金をもらえる　赤子のようにわがままではずっと泣くことになる」など、深すぎる考察も飛び交っています。

実際の状況は…種明かしを聞くと逆に風刺画テイストアップ!?

　それでは、飼い主さんに解説をしていただきましょう。これは一体どのような状況なのでしょうか？

「わびすけがくわえているお札は、上のお姉ちゃん2人が遊んでいたおもちゃのお札を強奪したもの。このお金を人質にして、おやつをもらうつもりでいるのです。奥の赤子が泣いている理由は、おねむの時間だから。その奥にいるチェック柄パジャマのパパは、ポケモン（のゲーム）をやっています。

　撮影後にわびすけは、目論見通りおやつをゲット。お姉ちゃん2人は『お札片付けておきなよ』と叱られ、赤子はねんねしました。パパはポケモンをやっています」
　
　やはり日常のワンシーンだったようですが、それでも何だか風刺を感じるような……。特に「パパはポケモン」の部分に、ママからの“深いメッセージ性”を感じてしまいます。ゲームのやりすぎにはくれぐれもご注意を。それに加えて、わびすけくんの「お金を人質」という部分も気になりますね。

「わびすけは無口な省エネおじさん。最低限しか動きません。人間とはビジネスライクなお付き合いをしているので、おやつをあげる権利を持たない子どもたちに媚びることはありません」

　今回の写真はあくまでも偶然に撮影されたものですが、実際の状況を知ると逆に風刺画テイストがアップ!?　……なんて考えてしまいますが、にぎやかで楽しい毎日も魅力的に見えますよね。これからも家族仲良く、楽しい毎日を過ごしていただきたいものです。

○取材協力：わびすけ　ポメラニアン（@usabarawabi）さん

（Hint-Pot編集部）