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年越しそばの薬味は何を入れる? 栄養士が教える定番5つのうれしい効能
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教えてくれた人:和漢 歩実
大晦日に年越しそばを食べる風習は、江戸時代に始まりました。そばに使われる具材は地域ごとにさまざまな特徴がありますが、欠かせないものといえば薬味です。年を越す前に改めて注目され、健康食としても知られるそば。その栄養や薬味との相性などについて、栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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そばが「健康食」といわれる理由
そばは冷涼な気候と痩せ地での栽培に適し、稲の半分の期間で収穫できます。そのため、昔は救荒作物(不作などで食料が不足した時の代用作物)として米や麦と一緒に炊いて食べられていました。
ごはんと比べてエネルギーが低く、タンパク質は他の穀類に不足している必須アミノ酸を含みます。栄養価が高いため、「低カロリーで高タンパク質」の主食とも。主食になる他の食材よりも、食後血糖値の上昇を示す指標であるGI(グリセミック・インデックス)値が低い(=血糖値の上昇がゆるやか)ことでも知られています。
他の健康成分としては、ポリフェノールの一種であるルチンを豊富に含むのが特徴。ルチンは毛細血管を丈夫にして血圧を調整するなど、生活習慣病の予防に役立つ抗酸化作用が期待できます。そばにはこの他にも、葉酸など水溶性のビタミンB群やミネラルも含まれており、現在は健康食としても話題です。
日本におけるそば栽培の歴史は古く、奈良時代より前には始まっていたとみられています。大晦日に年越しそばを食べる由来は諸説ありますが、月末に忙しい商家が食べていた「三十日(みそか)そば」や「細く長く」という縁起担ぎが始まりのようです。