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犬専用タクシーを始めたシングルマザー ビジネスチャンスは電話 米国で話題に

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

犬×タクシー? 珍しいビジネスのきっかけとは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
犬×タクシー? 珍しいビジネスのきっかけとは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ペット先進国といわれる米国。日本では「デイケアサービス」というと、高齢者向けの介護サービスをイメージしますが、米国では犬の保育園を指すことも。しかし、そうしたサービスが充実していても、家庭の事情により施設までの送迎が送迎が困難な場合もあるようです。そうした飼い主たちの声を拾い、ビジネスチャンスにつなげたシングルマザーが米国で注目を集めています。

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動物デイケアの仕事で受けた相談電話が転機に

 米ニューメキシコ州サンタフェ在住のシングルマザー、ジェンナ・ピロさんは1年半前、犬専用のタクシーサービス「ドグシー」を立ち上げました。ピロさんが暮らす同地では、人間用のタクシーすらも珍しい存在なのだそう。そんな中、なぜ犬のための送迎サービスを始めたのでしょうか。地元紙「サンタフェ・ニューメキシカン」が報じています。

 サービスを立ち上げたピロさんは以前、動物のデイケアで働いていた頃、よく助けが必要な飼い主からの電話を受けたそうです。その際に「送迎サービスをしてくれるデイケアはないか」と聞かれることが多々あり、それがビジネスを始める機会になりました。

 米国では犬を飼うと、しつけや犬同士のコミュニケーションを取る訓練の一環として、犬の保育園に通わせるのが一般的です。しかし、そうした施設やサービスがあっても送迎手段がなかったり、仕事が忙しくて時間がなかったりと通わせるのが難しい飼い主さんも。ピロさんは、そうした事情のある人が思いのほかたくさんいることに気づきました。

 そこでピロさんはライトバンの車を購入し、送迎用にカスタマイズ。運転席と子どものスペース以外は、後部座席と収納部分を犬専用にしました。デイサービスに通わせたい飼い主さん向けに、犬専用のタクシーを始めたのです。ちなみに送迎だけでなく、依頼をすれば散歩やごはんなどのお世話代行サービスも行ってくれます。

他人に懐かない犬もピロさんとなら“最高の絆”に

 利用者の評判も上々のようです。山道で転落し足首を骨折するという不運に見舞われたシャリ・キャロルさんは、ピロさんの送迎やお世話代行サービスを利用したそう。怪我をする1週間ほど前、犬を連れて訪れたデイケア施設でピロさんの名刺を見つけてバッグに保管していたのがきっかけでした。

「足首の骨折で歩けない。オーマイガー、うちの犬をどうすればいいの? という状況で、バッグの中にしまっていた名刺を取り出しました」とキャロルさん。そして2か月間、愛犬の「ブロディ」を毎朝ピックアップして、午後に自宅に送り届けてくれたそうです。

「うちの犬は見ず知らずの人に懐かないんですが、ジェンナ(・ピロ)さんはすぐに“最高の絆”を作ってくれました」と感謝していました。

 気になるお値段ですが、犬のタクシーだけに時間制になっているようで、運転時間が15分以内の場合は30ドル(約4000円)。15分以上30分以内の場合は40ドル(約5300円)。犬の散歩としつけ料金は30分で35ドル(約4630円)、1時間で50ドル(約6600円)に設定されているそうです。

(Hint-Pot編集部)