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雪で立ち往生したら「換気」に気をつけて 現役教習指導員が教える車載すべきアイテム
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昨年12月中旬、強い冬型の気圧配置により、各地が大雪に見舞われました。同月の観測史上最大となる積雪量を記録した新潟県長岡市や柏崎市では、多くの車が道路で立ち往生する状況に。そんな時、ドライバーはどうすれば良いのでしょうか。烏山自動車学校(栃木県那須烏山市)の教習指導員・小西隆さんに、雪道での立ち往生や渋滞時に関する注意点を伺いました。
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積雪で立ち往生してしまった時はどうすればいい?
深夜に雪が降り続き、朝起きたら車が雪に埋もれていた……普段から雪の多い地域以外でも、気圧配置によってはこの状況になる可能性がゼロとはいえません。また帰省や旅行などで、積雪の多い地域を走行することもあるでしょう。
そこでまず気をつけたいのが、積雪やぬかるみなどにタイヤがはまってしまう「スタック」です。小西さんによると、タイヤ周辺の雪をスコップで取り除き、駆動輪に毛布などを敷いて脱出する方法があるとのこと。
また、綜合警備保障株式会社(ALSOK)の公式ウェブサイトでは、大雪時に立ち往生が発生する原因として「吹雪で見通しが悪くなる」「チェーンを装着していない車がある」「停車する車に続いて停車してしまう人が多い」の3つが挙げられています。小西さんによると、運悪く立ち往生の事態に見舞われた場合、まず重要なのは換気なのだそう。
「エンジンをかけている場合、マフラー付近が雪で覆われると排気ガスが車内に入り込むことがあるので、マフラー周辺の雪を取り除くことや換気することが大切。加えて、車内に長時間いる場合は、血行不良を防ぐため楽な姿勢を取ることを心がけましょう」
○降雪時に備えて車載しておくべきもの
・スノーブラシやスコップ
・牽引ロープ
・ブースターケーブル
・防寒具(毛布や衣類)
・水や非常食
・携帯トイレ
・スマートフォンなどの充電器
教習指導員が挙げる「冬場の運転で注意すべきポイント3つ」
路面状況や視界の悪化で渋滞が発生することも。そんな時に注意すべきことはやはり車間距離です。
「低速時や停止時も前車に接近しすぎないように適切な車間距離を取って、追突事故に注意しましょう。前車に続いて停止する時は、約1車長(4~5メートル)開けて停止を。時速20キロ以下の低速走行時は約10メートルの車間距離があると、前車が急停止した時に追突を防ぎやすくなります」
また車線変更を繰り返しても、到着時間はほとんど変わらないことが多いのだそう。むやみに車線を変えると、後ろからすり抜けてくる二輪車などとの事故につながる恐れもあります。
「高速道路に入る前に燃料を十分給油しておくことが大切です。運転計画に余裕を持ち、サービスエリアやパーキングエリアでこまめに休憩を取って気分転換をすると良いでしょう。また、締め切った車内では集中力が低下する場合もあります。寒くても時々換気をすることや、エアコンを外気導入にすることも大切です」
教習指導員として多くのドライバーを指導してきた立場から、小西さんは冬場の運転で特に注意すべきポイントとして以下の3つを挙げます。
・夜間や早朝はガラスが凍結することがあるので、必ず解かしてから運転する
・積雪や凍結路面は、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンを過信することなく、速度を落として車間距離を多めに取って運転する
・大雪による立ち往生が発生することがあるため、常に燃料に余裕を持つ。またスノーブラシやスコップ、防寒具、水や非常食、携帯トイレ、スマートフォンなどの充電器などを準備しておくと良い
雪の多い地方にお住まいの皆さんはもちろん、帰省や旅行で雪深い地域へ行く予定があるドライバーはぜひ、これらの注意点を改めて確認しておきましょう。少しの心がけを怠らないことで、大きな安全につながるはずです。
(Hint-Pot編集部)