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凍結路面でスリップしたらブレーキを踏み続けて 自動車学校が教えるアイスバーン対策
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寒い時期の運転で注意したい状況といえば路面凍結(アイスバーン)。水は0度で凍り始めますが、気温と路上の温度が異なるため、気温が氷点下ではない時も路上は凍っている場合があるのだとか。また積雪時は、車の走行によって雪が押し固められた「圧雪アイスバーン」と呼ばれる状態に。これがさらなる走行でピカピカに磨かれると、より滑りやすい「ミラーバーン」になるそうです。路面凍結時の運転で注意すべきポイントについて、烏山自動車学校(栃木県那須烏山市)の教習指導員・小西隆さんにお話を伺いました。
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雪が降ってない時の方が路面は滑りやすい? アイスバーンの落とし穴
底冷えする朝、走行中に軽くスリップしてしまいヒヤリとした……そんな経験を持つドライバーは多いでしょう。車のコンロトールを失ってしまうスリップは、凍結した路面で多く発生します。ただし小西さんによると、この路面凍結は外気温が氷点下ではない状況でも発生するそうです。
「気温が3度以下になると地表の温度は0度以下になり、凍結し始めるといわれています。出発前に天気情報や車の温度計などから凍結を予測して、時間に余裕を持って出発することと、急な操作にならないよう慎重な運転が大切です」
その前に最も注意すべきことは、滑りやすい路面をグリップするタイヤの準備です。スタッドレスタイヤはもちろん“消耗品”のため、使用年数にも注意を。
「スタッドレスタイヤの装備、またはタイヤチェーンの携帯など、早めに準備しておきましょう。スタッドレスタイヤは4~5年で効き目が低下するといわれているので、残り溝があっても過信してはいけません。スタッドレスタイヤとしての効き目の限界を表すプラットホーム部分が露出している場合、雪道や凍結路面を走行すると危険といえます」
準備していてもスリップしてしまったら? 的確な対処法とは
実際に走り始めてから凍結に気づいた時にはどう対処すれば良いのでしょうか。
「できるだけ速度を落として車間距離を十分に取って運転します。急発進や急ブレーキ、急ハンドルなどの“急”な操作や、乾燥した路面と同じ速度・車間距離では危険。もし運転に不安を感じた場合や、スタッドレスタイヤ未装着またはタイヤチェーンなどの装備がない場合は、無理せずに引き返す判断も大事です」
とはいえ、引き返すにしても走行には注意が必要。実際にスリップしてしまった場合、横滑りを抑える技術はありますが、非常に難しいものなのだそう。
「後輪が横滑りを起こした場合は、アクセルを離して後輪が滑った方へハンドルを切ることで横滑りを抑えることができますが、非常に難しい技術です。どのようにすればいいのか分からない場合は、被害を最小限に抑えるためにブレーキをしっかりと踏み続けましょう」
まずは最小限の被害に抑える対処法がベストのようです。本格的な寒さと雪はまだまだこれから。気象情報に注意を払いながら、安全運転を心がけましょう。
(Hint-Pot編集部)