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お風呂のカビ掃除 ゴシゴシこすり洗いはNG 掃除のプロのテクニックとは
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教えてくれた人:伊藤 まき
お風呂場のカビは、ジメジメした梅雨時に限らず、実は冬場もカビの脅威にさらされているそうです。冬のカビは、梅雨時よりも色が薄いため、発見しにくいことが難点。目に見えて黒くなってきた時には、梅雨の時期以上に根の深いカビが広がっていることもあるとか。しかし、カビの落とし方を間違えると、ますますカビの発生を助長することに。掃除のプロでもある整理収納アドバイザーの伊藤まきさんがプロの視点でお掃除の“NG”をレクチャーするこの連載。今回のテーマは「浴室のカビ落とし」です。新年早々、やや気の早い話ですが、今年の大掃除を楽にするためにも今から浴室のカビ対策を心がけておきましょう。
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お風呂のカビはパックするように落とす
お風呂のカビ掃除というと、カビ落とし用洗剤をつけたスポンジなどで浴槽やタイルの表面をゴシゴシ洗うイメージがあるでしょうか。実際にゴシゴシ洗っている方もいらっしゃるかもしれませんが、こすり洗いはおすすめできません。
カビ落とし用洗剤の多くは、塩素系で強めのもの。これでゴシゴシこすり洗いをしてしまうと、浴槽の防カビコーティングがはがれてしまったり、ゴムパッキン部分に傷が付いてはがれてしまったりします。こすり洗いでカビを取ろうとすればするほど、浴槽を傷めてしまう原因に。
カビ掃除のコツは、カビ落とし用洗剤をコットンやキッチンペーパーに含ませ、汚れを落としたいところにパックをするようなイメージです。洗剤を含ませたペーパーで覆って放置し、洗剤用液を奥まで染み込ませるようにします。その後、十分に水で洗い流しましょう。その方が、浴槽を傷めずにカビの根っこの方までしっかり対処することができます。
1度のパックで落ち切らなかった場合も決してこすり落とそうとせず、1~2時間おきにパックを替えて、何度か繰り返して十分に水で洗い流せば落とすことができます。1度のパック時間は長くても4時間を目安に。トラブルを防ぐために、こまめに汚れ落ちを確認しましょう。
こすり洗いが特にNGな場所は、前述したゴムパッキンやコーキング(シーリング)された部分です。これらはカビが生えると奥深くまで入り込んでしまう部分でもあります。何度かパックしても黒ずみが落ちない場合は、かなり根深くカビが繁殖している証拠です。ゴムパッキンそのものを取り替えるか、コーキングを打ち直した方がいいでしょう。
なお、カビ対策に有効なカビ落とし洗剤やくん煙剤は、浴室の素材によっては使用できないケースがあります。黄ばみや劣化の原因になることもあるので、使用前にお風呂の仕様書などをよく読んで確認するようにしてください。
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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