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一人暮らしの高齢者に大人気 オランダのスーパーがおしゃべり専用レーンを導入
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混雑しがちなスーパーマーケットのレジ。早く買い物を終わらせたい人もいれば、店員さんとのコミュニケーションを楽しみたい人もいます。そこでオランダの大手スーパーでは、それぞれのニーズに合ったユニークな取り組みが2019年から始まりました。サービスは好評で、2022年には全国200店舗にまで展開。地元の人はどのように受け止めているのでしょうか。
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時代と逆行する“ゆっくり”を推奨 高齢化進む社会に一躍
必要なものをカゴに入れ、さあお会計となると、つい空いているレジを探しがちですよね。しかし、オランダのスーパーマーケットチェーンの「Jumbo」では、多くの人のニーズの逆を行く「スローレーン」を導入しました。
「スローレーン」のコンセプトは、急いでいないお客さん向けに店員とのコミュニケーションを推奨するもの。2019年に初めてこのスローレーンを導入しました。すると、会計時に店員や見ず知らずの人たちとおしゃべりできると大人気に。同年9月にはオランダ国内店舗に展開し、2022年には全国200店舗までに拡大しました。
同店の最高営業責任者であるコレット・クロスターマン=ヴァン・エールド氏は、英ニュースメディア「UNILAD」に対し、サービスを始めた思いを次のように語っています。
「特にお年寄りは孤独を感じやすいです。我々は家族経営のスーパーマーケットチェーンとして、社会の中心を担っています。我々の店舗は人々にとって重要な出会いの場であり、また孤独感を減らす役割を果たしたいと考えています。たくさんの店員がスローレーンのレジ係を務めることを好んでいるのを、誇りに思います」
また、いいニュースだけを集めたジャーナリストが運営するインスタグラム「グッド・ニュース・ムーブメント」がこの取り組みを取り上げると、58.5万件もの“いいね”が集まりました。
コメント欄には、「多くの高齢者がそれ(孤独)を経験しているなんて不幸なこと」「高校生の時にレジをやっていたけど、1日に2~3回少しずつ買い物していくお年寄りがいたわ」と多くの反響が寄せられています。
コロナ禍の影響もあり、セルフレジやキャッシュレス化が進み、テレワークの普及などで人との関わりが少なくなりつつある昨今。それぞれのニーズに応えながら、誰もが住みやすい社会を目指す素敵な取り組みですね。
(Hint-Pot編集部)