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“札幌のバンクシー”!? 公園に現れた雪像群が話題に 制作者の正体とは
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市民の憩いの場として愛されている北海道札幌市の円山公園。この公園には近年、冬になると男の子や動物、昆虫などをモチーフにしたかわいい雪像が次々と現れ、密かなアートスポットとしても人気を集めています。誰が作っているのかは大々的には発表されておらず、まるで素性不明の英アーティスト、バンクシーのようだという声も。制作者の正体とその裏側に迫りました。
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クオリティが高すぎる雪像に22万件超の“いいね”が
「すごいな、北海道民が作る雪だるまはここまで来たか」
木の幹に止まる大きくて真っ白な1匹のクワガタムシが写った写真に、そんな一言が添えられたツイッターの投稿。雪で作られたクワガタムシは本物そっくりです。この投稿は大きな話題になり、22.2万件もの“いいね”を集めました。
普段は趣味で化石発掘を行っている投稿者のカンタ(@ammonite_boy)さんによると、写真を撮影したのは2023年1月13日の午後3時頃。北海道神宮への参拝後、隣接する円山公園内を散策したところ、たくさんの雪像が目に飛び込んできました。
「円山公園に入った時から、たくさんの雪だるまや雪像があることが気になっていました。その中でも木にくっつくように作られたこの作品はひときわ目立っていて、発想といい完成度といい最高の雪像だと思って、写真を撮ってしまいました」(カンタさん)
周囲には親子連れや夫婦、カップルなど、雪像を見て回るたくさんの人たちが。それぞれが驚いたり、写真を撮ったりと、自然の中のアートスポットを心ゆくまで楽しんでいたそうです。
雪像作りを始めて4年目 始まりは「雪ボーイ」
そんなたくさんの人を楽しませている円山公園の雪像群。制作者の正体は一体!? 調べてみると、“プロの仕業”であることが分かりました。制作者は同市在住のデザイナー、田中宏美さん。2019年の1月、気の赴くままに初めて作った「雪ボーイ」がその始まりだったそうです。
「『雪ボーイ』を作ったのは、『公園のベンチに雪だるまが座っているとかわいいなぁ』と、ふと思い立ったのがきっかけです。人の形をしているので『これは、(雪)だるまではないなぁ』と思い、『雪ボーイ』と名前を付けて楽しんでいます」(田中さん)
田中さんによると、「雪ボーイ」を1体作る時間は雪質や天気によりますが、ベストコンディションなら40分~1時間程度。「雪ボーイ」と並んで人気の「雪リス」なら、10分ほどで完成します。
「制作の頻度は天気や仕事の状況によりますが、1週間に1度行けたらなぁと思っています。冬季は本業が繁忙期でもあるのでなかなか時間が取りにくいのですが、2~3時間空きができれば『行くぞーー!』と、常にチャンスを狙っています(笑)」(田中さん)