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「部屋から初日の出見せて」 ママ友からの無茶な要求 タワマンマダムが出した決断とは
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
今年の元旦は初日の出を見に行ったという人も多いでしょう。この風習が庶民に定着したのは、江戸時代中期頃といわれています。現在も日本各地には初日の出スポットが多く存在しますが、立地条件によってはタワーマンションから楽しめることも。今回ご紹介するのは、そんな“タワマンの初日の出”にまつわるトラブルです。東京・中目黒で「コレカライフ不動産」を営む不動産のプロ、姉帯裕樹さんのアドバイスとともにお届けします。
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わざわざ購入した東向きの部屋をめぐる“難癖”
後藤紗英さん(仮名・39歳)は配偶者とお子さん2人の4人家族。現在暮らしている都内湾岸エリアの築浅タワマンには、今から3年ほど前に転居しました。
配偶者は風水など“験担ぎ”を気にする性格。そのため「日の出が見える部屋に住みたい」という意向があり、南向きではなくあえて東向きの部屋を購入しました。日照時間は短めですが、朝日が昇る瞬間の景色は美しく、とても気に入っているそうです。
「でも、下の息子と同じ幼稚園に通う、別のタワマンに住むママ友に無理なお願いをされてしまって……」
紗英さんがため息交じりで語った内容によると、年末にそのママ友から「初日の出が見たいから、元日の朝は部屋にお邪魔させてほしい」と持ちかけてきたそう。しかし紗英さんは、3年ぶりに迎えた行動制限のない年末年始とあって、九州の実家に帰る予定。帰省の予定を伝えて何度も断りましたが、しつこく食い下がってきました。しかも、これまた意味不明な要求を突き付けてきます。
「だったらカギだけ貸して! 初日の出を見終わったら帰るから!」
ママ友がそこまで食い下がったことには、実は理由がありました。ママ友は十数年前から別のタワマンに住んでいたのですが、5年ほど前に紗英さんが住むタワマンが完成。ママ友のタワマンが西側に建っていたため、部屋から初日の出が見えなくなってしまったのです。紗英さんには何の落ち度もない状況ですが、ママ友は意味不明な理論を振りかざし、要求を通そうとしてきました。
「あなたが住むマンションが建ったせいで見えなくなったんだから責任を取って! 初日の出の時くらいいいでしょう!」
もちろん、紗英さんは最後まで頑なにこれを断りました。
「それまで楽しめていたものが見えなくなってしまい、かわいそうだとは思います。でもだからといって、我が家を貸し出す意味が分かりません。別のママ友を通じて相手をなだめてもらっていますが、今後もあまりしつこいようなら、電話の着信拒否など連絡先をブロックすることも考えようと思っています」