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「部屋から初日の出見せて」 ママ友からの無茶な要求 タワマンマダムが出した決断とは
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
マンション乱立の湾岸エリア 今の眺望は永遠ではない!?
タワマンの建築ラッシュが続く湾岸エリア。眺望の良さに惹かれて購入を決めたものの、新しいタワマンが近くに建ち眺望が悪くなってしまった……という展開は「タワマン“あるある”」だと、コレカライフ不動産の姉帯裕樹さんは語ります。
「紗英さんのママ友さんの悲しみも分かります。でも、タワマンを建てるためにはそれなりの広さの空き地が必要で、工事を始める前には土地所有者や近隣住人に向けた説明会が行われます。十数年前から住んでいれば、目の前にタワマンが建つことは否が応でも分かったはずです。そうした情報を見逃していたことが、ママ友さんの敗因ですね」
紗英さんが直面したトラブルは“難癖”の類であり、責任を取る義務はないといえます。では逆に、眺望を遮るような別の建物が将来的に建つかどうか、住む前に知る方法はあるのでしょうか。
「繰り返しになりますが、大きな建物を建てるには広大な土地が必要です。近隣に大規模開発が行われそうな空き地があれば、そこに眺望を妨げる何かしらの建物が建つ可能性は高くなるでしょう。また、都市計画法で定められた『用途地域』を調べるのも手。第一種中高層住居専用地域や近隣商業地域など、高層の建物を建てることができる用途地域である場合、タワマンや高層の商業ビルが建つ可能性があります。
絶対に眺望だけは譲れないのであれば、古くからの住宅地が目の前に広がるエリアを選ぶのが無難です。もちろん、後から用途地域が変更されることもあり、生涯にわたって眺望が確約されるわけではありませんが、商業地域よりはマシでは……と思います。タワマンは特に眺望を重視しての購入が多いので、そうした面まで徹底して調べることをおすすめします」
さまざまな要因により再開発が進む東京都心。今後もあちらこちらに高層住宅が建てられ、変貌を遂げていくものと思われます。「いつまでも、あると思うな、タワマン眺望」……変わらない眺望を望むのであれば地方に移住するか、周辺の都市計画などを多岐にわたって丁寧に調べる必要があるようです。
(和栗 恵)
姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)
「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。