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ギネス認定された23歳の「世界最年長犬」 長生きの裏には悲惨な過去も 米国で話題

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

長生きの秘訣は健康的なライフスタイル(写真はイメージ)【写真:写真AC】
長生きの秘訣は健康的なライフスタイル(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 13年前、米国の食料品店の駐車場で保護された1匹の犬。優しい飼い主と出会い、たくさんの愛情を注がれながら幸せに暮らした結果、「存命中の世界最高齢の犬」としてギネス認定されました。悲惨な姿で保護されながらも長寿に至るという奇跡の物語が、世界中から注目されています。

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毎朝7時に起きて家族と一緒に過ごすのが日課

 米オハイオ州カムデンに住むチワワのミックス「スパイク」くんはこの度、ギネスワールドレコード社から「存命中の世界最高齢の犬」に認定されました。記録は2022年12月7日時点で23歳7日。この認定を受け、元保護犬という過去も注目されています。

 英米メディアやギネス社のウェブサイトによると、飼い主のリタ・キンボールさん一家は2009年8月、食料品店の駐車場でスパイクくんと出会いました。店を出ると後をついてきたスパイクくんは背中(の被毛)を剃られ、首の周囲には鎖やロープによる血がついたひどい姿。そこでリタさんは、思わず車の扉を開いたそうです。

「スパイクは車に飛び乗ってきて、シートに座ったんですよ。彼は我々の行き先を知っているかのようで。これは運命だったんです」

 保護当時の年齢は10歳。記事では明確にされていませんが、正確な年齢でギネス記録が認定していることから、スパイクくんはマイクロチップを装着していたのでしょう。何らかの事情で前の飼い主の元を離れており、発見までの3日間は食料品店がごはんを与えていました。

 現在はほぼ盲目で耳も聞こえにくい状態ですが、家族と一緒に毎朝7時から7時30分の間に起床して、一家の牧場で馬や牛、猫と遊ぶ日々を過ごしています。リタさんは体長22.86センチ、体重わずか5.85キロの小柄な体で長寿に至った要因として、こうした健康的なライフスタイルもあると考えているそうです。

 また英紙「テレグラフ」の記事によると、スパイクくんは他の動物からの攻撃でひどい傷を負いながらも、懸命に生き抜いたという逸話も持っているのだとか。そうしてスパイクくんとの生活が続いたある日、リタさんはスパイクくんよりも若い犬を「最年長犬」として紹介するテレビ番組を観ました。そこで、ギネスへの申請を思い立ったそうです。

「家族みんなスパイクがおじいさんだということが知っていましたが、世界最年長の可能性があるとは思いもよりませんでした」とリタさん。

「今や彼はタイトルホルダーです。まるでセレブですよ。こんなに長く生きているなんて! 最初にひどい日々を過ごしていたので、まだまだここで元気で暮らしてくれると信じています」

 近頃の「存命中の世界最高齢の犬」は交代劇が相次いでいます。2021年3月にチワワ「トビーキース」くんが21歳66日で認定された後、トイフォックステリア「ペブルス」ちゃんが22歳50日で年上と判明。ペブルスちゃんが10月にこの世を去ったため、トビーキースくんの“返り咲き”もありましたが、11月にはチワワのミックス「ジーノ」くんが22歳96日で更新しました。リタさんが観たのは、ジーノくんに関する報道だったのでしょう。

 認定された犬たちに共通しているのは、愛情に満ちあふれた飼い主たちでした。とはいえ、認定の有無はさておき、世界中の飼い主にとっての幸せが愛犬の長寿であることは間違いありませんよね。

(Hint-Pot編集部)