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タワマンの部屋が寒すぎる! デザイン性重視物件の“落とし穴”に嘆くマダム

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

おしゃれな外観、充実した設備…快適なはずのタワマンに思わぬ落とし穴(写真はイメージ)【写真:写真AC】
おしゃれな外観、充実した設備…快適なはずのタワマンに思わぬ落とし穴(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 寒い季節になると気になるのが、窓からの冷気。充実した設備を売りにしているタワーマンションでは、二重サッシや複層ガラスが使用されていることが多いようです。しかし、それでも「寒い!」という人も。あるマダムは憤りを隠せずにいるようです。あまりに寒い場合はどのように対処するのが正解なのでしょうか。東京・中目黒で「コレカライフ不動産」を営む不動産のプロ、姉帯裕樹さんがアドバイスします。

 ◇ ◇ ◇

窓ガラス張りの部屋 冬は想像を超える寒さに

 お悩みを抱えているのは、タワーマンションの賃貸で暮らしている、関東在住の佐川七海子さん(仮名・49歳)。夫の転勤に伴い、現在の住居に引っ越したのは2年前のこと。コロナ禍だったこともあり気軽に物件を内見することができず、「かなり快適に住める」という不動産会社の言葉を信じて入居を決めました。

「引っ越したのは春で、確かにその季節は快適でした。北向きの部屋なので夏もそこまで暑くなることなく、夫と『ここを選んで良かったね』なんて話をしていたくらいです」

 そんな七海子さん夫婦に試練が訪れたのは、その年の冬。床暖房とエアコンをフル稼働しても部屋の中が暖まらず、追加で電気ストーブをいくつも購入。キッチンやトイレ、脱衣所……とあちこちに置いて、ようやく「少し暖かい」くらいの室温を保てるようになりました。

「中でも一番寒いのが、リビングです。デザイン性が高いマンションなので、外壁はほぼガラス張り。ペアガラスだから暖かいと聞いていたのですが、冷え込みが厳しい朝なんて、ガラスに手が触れると手のひらに氷がつくのでは? と思う冷たさで……」

 電気ストーブを複数つけているため、冬場の電気代はかなり高額。追い打ちをかけるように電気代が高騰し、戦々恐々としているといいます。そこで断熱効果が高いとされるカーテンをフルオーダーすることにしたため、さらに余計な出費に悩まされることになってしまいました。

「窓用の断熱シートを貼るなど、いろいろと調べて対策をしているのですがそれでも寒いですね。昨年はそれでも暖冬だったので良かったのですが、今年は10年に1度の寒波といわれており、今から電気代が怖くて仕方ありません」

デザイン重視のマンションは窓ガラスからの冷気に注意

 ネットで検索すると「タワマンは寒くない」「冬でも暖かい」という声が多数上がっています。しかしその一方で、七海子さんのように寒さを訴えている人も。実際のところ、タワマンの“寒さ事情”はどうなっているのでしょうか。中目黒の「コレカライフ不動産」姉帯さんにお聞きしました。

「20年前のタワマンはどのようになっているか分かりませんが、近年建てられているものであれば、ペアガラスなどを採用しているところがほとんどではないでしょうか。ガラス1枚だけの窓に比べればマシだと思いますが、残念ながら『寒くない』ということはないと思います」

 姉帯さんによると、コンクリートの壁であれば中に断熱材が入っているためある程度は冷気を防ぐことができますが、七海子さんの場合のように、壁の大半がガラス張りになっているタイプは特に寒いそう。また、タワマンは高さがある分、風が強いのも寒さの一因になっていることでしょう。さらに、天井が高い、部屋が広いなど、部屋を暖めにくい間取りも原因のひとつに挙げられます。

「少し値は張りますが、三重のカーテンを下げる、窓用ヒーターを利用するといった寒さ対策で乗り切ってください、としか言いようがないのが現状ですね。これからタワマンへの入居を希望されている方は、複層ガラスなのか二重サッシなのかなど、デベロッパーや不動産会社に確認することをおすすめします」

 寒さは人によって感じ方が違うものですが、我慢してしまうとストレスがかかり、免疫力の低下を招いてしまう結果になることもあります。あらかじめ寒さに弱いとわかっている方は、“ガラス張りのおしゃれなタワマン”は避けたほうがいいかもしれません。

(和栗 恵)

姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)

「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。