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犬の冬散歩 気温何度から注意が必要? ブーツは履かせるべき? 獣医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

冬に愛犬と散歩するときは防寒具など正しい対処が必要(写真はイメージ)【写真:写真AC】
冬に愛犬と散歩するときは防寒具など正しい対処が必要(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 厳しい寒波が続く今冬。人間でもこたえる寒さですが、毎日のお散歩が必須の犬たちは大丈夫なのでしょうか? 注意したほうが良い気温や、ブーツの有無、散歩後のケアのポイントなど、疑問は尽きません。そこで、「夜の獣医師ゆってぃー」としてTikTokやYouTubeでも大人気の夜間専門動物病院「麻布ペットクリニック」院長で、獣医師の稲野辺悠先生が解説します。

 ◇ ◇ ◇

気温7度以下になると犬にも不快感が 冬が苦手な犬種は特に注意

 冬であっても、愛犬の健康のためにはしっかりと運動することが大切です。小型犬であれば10~20分程度、中型犬であれば30分前後、大型犬であれば45分前後を散歩時間の目安としましょう。

 ただし、次のような犬は冬の散歩で体調を崩しやすいため注意が必要です。

・被毛がシングルコートの犬種:チワワ(スムース)、シーズー、パピヨン、マルチーズ、ヨークシャーテリアなど
・体温調節が難しいシニア犬や子犬
・甲状腺機能低下症の犬

 犬は「比較的に寒さに強い」といわれていますが、海外のいくつかの報告では、気温7度以下になると散歩時に犬が不快感を覚えているとされています。冬の散歩で体調を崩しやすい特徴のある犬は、より不快感がある可能性も。散歩時間を調整したり、散歩時の工夫を施したりする必要があるでしょう。

 また、寒い中を長時間にわたって散歩する場合や、肉球が雪に触れる場合は、防寒着を着せるほかに犬用ブーツを検討したほうが良い可能性があります。ただし犬はブーツを装着することに慣れていないため、履かせる際には少しずつ慣らしていきましょう。若い年齢なら慣れるスピードも速いため、災害時なども想定して履かせる訓練をしておくことをおすすめします。なかでも長時間の散歩を必要とする中型犬や大型犬などの犬種は、とくにブーツの装着を検討しましょう。

散歩後の適切なケアも大切 汚れや水濡れはきちんと対処を

衣服や靴は、室内用と室外用できちんと分けて(写真はイメージ)【写真:写真AC】
衣服や靴は、室内用と室外用できちんと分けて(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 散歩後には、適切なケアが必要です。次の点に注意してください。

・外用のブーツや防寒着を脱がせる
・室内用の洋服と外用の防寒着は分ける
・雨や雪で皮膚が濡れたり、汚れたりした場合は、しっかりと汚れを落とし乾いたタオルを使って乾かす

 濡れや汚れをそのままにしていると、体温低下や皮膚炎の原因となり、体調不良を招く可能性があります。また、乾燥が気になる場合は、保湿のスプレーやクリームで肉球や鼻の皮膚を保湿してあげましょう。乾燥は人間と同様で皮膚炎を引き起こす要因となります。

 最後に、厳しい寒さや積雪などで散歩に連れて行けない場合もあります。そういった時には室内で運動をしたり、食事量を調節したりするなどして肥満防止に努めましょう。

◇稲野辺悠(いなのべ・ゆう)
神奈川県川崎市出身。1991年生まれ。2017年獣医師免許取得。動物夜間救急医療に新卒より従事し、金魚からクジャクまで幅広い動物たちの診療を経験。2021年春に東京都港区にて夜間専門動物病院「麻布ペットクリニック」を開業。2023年にはYouTubeチャンネル「夜の獣医師ゆってぃー」、TikTok(noimitvet_yutty)、インスタグラム(yinanobe)にて「夜の獣医師ゆってぃー」として総フォロワー数10万人を突破し、国内獣医師では1番のフォロワー数を誇る。

(Hint-Pot編集部)