警察庁の発表によると、平成29年から令和3年までの過去5年間で、歩行者が横断歩道やその付近を横断中に自動車と衝突した交通死亡事故は1633件発生しています。「横断歩道は歩行者優先」が原則であり、運転者には横断歩道手前での減速義務や停止義務がありますが、一体なぜこうした事故が後を絶たないのでしょうか。交通安全に関する実演動画が人気の烏山自動車学校（栃木県那須烏山市）は公式ツイッター（@KarasuyamaDS）で、よく見かけるという「怖い運転」を再現した動画を投稿。大きな注目を集めています。

　◇　◇　◇

「怖い思いを何度もした」ことがある人も

　烏山自動車学校が投稿した動画には、横断歩道手前の停止線前で一時停止する一台の自動車が映っています。すると、その右側を一台の車が通過しました。スピードを緩める気配は一切なく一時停止をしないまま、停止中の車を追い抜いて横断歩道を通過します。

　とてもシンプルな映像ですがツイッターに投稿されると反響を呼び、4000件近い“いいね”が集まりました。そして、動画の再生回数は63万回を超えています。

　また、リプライ（返信）には、「バス停でバスの停車中でもあるし、怖い思いは何度もした」「昔、卒検の時にこれやって、落ちた！」「これは……危険で、非常に怖いです。車輌の陰から人でも出てきたらと思うとゾッとします。またドアが開いたりしても怖いですね」「横断者がいるかもを心に留めておかなければ……」など、たくさんの感想が寄せられました。

止まっている車がいる場合は必ず一時停止を

　警察庁の公式ウェブサイト「横断歩道付近等における交通ルール」によると、動画のように「横断歩道や自転車横断帯やその手前で止まっている車があるときは、そのそばを通って前方に出る前に一時停止をしなければなりません」。また「横断歩道や自転車横断帯とその手前から30メートル以内の場所では、ほかの車を追い越したり、追い抜いたりしてはいけません」とされています。

　烏山自動車学校は、同校の公式YouTubeチャンネル「安全運転補完計画ユズリアイ」のショート動画で、「免許証を持っている人は知らないとまずい横断歩道のルール」というタイトルの動画も公開中。横断歩道付近に一時停止している車両がいる場合の正しい運転法を実演しています。

　安全運転を心がけることはもちろん、歩行者の場合も横断前には左右の安全をしっかりと確認し、交通ルールを守りましょう。

（Hint-Pot編集部）