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嘘をついていた夫が開き直り 今後はどうすればいい? プロがアドバイス

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

夫がついた嘘に妻は…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
夫がついた嘘に妻は…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 会社が用意し、通常の賃貸価格より安い値段で住むことができる「社員向け住宅(社宅)」。結婚したばかりで収入が少ない若い夫婦にはうれしい制度ですが、会社内での人間関係を引きずることもあるようです。社宅で夫の上司家族との関係に悩んでいた20代女性。夫から裏切られたことを知り、離婚問題にまで発展しているという悩みを、夫婦カウンセラー・原嶋めぐみさんからのアドバイスとともにお届けします。

 ◇ ◇ ◇

社内恋愛で結婚 社宅で新生活をスタート

 2歳年上の夫と社内恋愛を経て結婚した、東海地方在住の片桐ももこさん(仮名・25歳)。結婚から1年になる今、大きな悩みを抱えているといいます。以下はももこさんのお話です。

 私たちは現在、社宅で暮らしています。築浅で、3LDKの広さがあり、会社までは自転車で10分ほど。大きなショッピングセンターまで車で15分、最寄り駅までバスで10分と利便性が高く、家賃が月3万円ということもあり、当初から社宅以外の選択肢はありませんでした。それに、社宅を借りる際に年齢制限や所得制限などはないため、ある程度お金を貯めてマイホームを買うまでの10年くらいは社宅でお世話になろうと思っていたんです。

 私は結婚を機に退社しましたが、もともと社員だったこともあり、社宅には知っている人も多く人間関係はスムーズで、入居からまもなくは問題なく暮らしていました。ただ、住んでから日が経つにつれ、同じ社宅に住んでいる夫の上司の妻・Aさんが、図々しい要求をするようになったんです。

 初めのうちは、買い物ついでに車に乗せてほしいとか、野菜を買ってきてほしいとか、それくらいの要求でした。でもそれがだんだんとエスカレートしていき、雨の日に隣の市の学校へ通うお子さんを迎えに行ってほしいと頼まれたり、来客用の茶菓子をおつかいさせられたりと、まるで召使いのように扱われ始めたんです。

 腹が立ちましたが、相手は夫の上司の妻のため、言い方によっては角が立つかもしれないと思い、まずは夫に相談することに。すると夫は「出世に響くかもしれないから様子を見てほしい。上司には必ず伝える」と言うので、私も一度怒りを収めることにしました。

夫の重大な嘘 被害者面で話し合いを拒否

 ところが、Aさんの態度は変わりません。それどころか要求の頻度は増す一方で、ある日耐え切れず「これ以上、対応するのは無理です」とはっきり断ったんです。するとAさんは「あなたの夫から、あなたがなんでもお手伝いしたいと言っていると言われていたのに」と驚いた表情。どうやら私のことを、夫の出世のために自ら望んでAさんのサポート役をやりたがる野心的な妻だと思っていたようです。しかし、私の態度を見て違うことに気がついたのか、これまでのことを謝罪されました。

 一方の私は、まさか夫が私に黙ってそんなゴマのすり方をしていたことがショックで、その日は何も手につきませんでした。そして夫の帰宅後、事の真相を確認することにしたんです。ところが、Aさんから謝罪されたことを伝えると、夫は大きなため息をつき「様子を見てほしいと言ったばかりなのに、勝手なことをされてショックだ」と一言。自分のことを棚に上げて被害者面をし、そのまま話し合うこともなく寝室に入っていきました。

 それ以後、Aさんからあれこれと言いつけられることはなくなり、この件で夫が上司から何か嫌がらせめいたことをされている様子もありません。でも、あれから2か月ほどが経ちますが、夫は家の中で無視を貫いています。こんな夫とはもう離婚しかないのでしょうか。

パワハラやモラハラが原因の離婚も増えている

 今回も、夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんにお話を伺います。

――今回のケースは、夫婦カウンセラーの立場から見てどう思われますか?

「自身の出世のために妻を差し出す夫。夫の側からももこさんの信頼を裏切っていますので、ももこさんが望むのであれば離婚でいいのではないでしょうか。ただ、こうした状況になってから2か月経ち、夫との会話がほぼないにもかかわらず家を出ることもせず、離婚の話し合いに至っていないということは、ももこさん自身が離婚を望んでいないことも考えられます。まずは信頼できる第三者を間に置き、夫側の不満を汲み上げてみるといいでしょう。

 ある程度の時間が経って冷静になっていたとしても、単純に仲直りの機会を見出すことができず、態度を改められずにいる可能性もあります。夫自身がどう思っているのか、改善できる部分は改善しようと思っているのか、そのあたりを聞き出してから、今後のことを極めたほうがいいと思います」

(和栗 恵)