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からだ・美容

布団と毛布どちらが上? 寒い冬を乗り切る暖かい布団のかけ方とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

布団のかけ方によって感じる暖かさが変わる可能性も(写真はイメージ)【写真:写真AC】
布団のかけ方によって感じる暖かさが変わる可能性も(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 朝晩の冷え込みが増して、布団の中まで寒さを感じる毎日。就寝時、毛布をもう1枚出してみたものの、かけ布団の上にかけるのか、内側に入れるのかで悩んだことはありませんか? 実は、かける順番で暖かさが違ってくるといわれています。布団と毛布、どちらを上にすると良いのでしょうか? 正しい布団のかけ方について、スリープコーチの矢野達人さんに解説していただきました。

 ◇ ◇ ◇

かけ布団の素材で毛布の敷き方を変える

 もっとも理想的な睡眠環境とは、温度や湿度が快適に保たれた寝室で、毛布を使用せずに眠ること。なぜならば、一般的なアクリル毛布は暖かいので保温性だけ考えると効果がありますが、寝床内の湿度が上がりすぎて蒸れやすく、寝ている間の快適な温度湿度が阻害される可能性があるからです。

 そうは言っても、寝室を適温に維持することが難しい場合もあります。暖かく寝るためには、かけ布団の素材によって毛布をかける順番を変えることが大切です。それでは、布団の素材別に正しい毛布の扱い方を見ていきましょう。

○羽毛布団と毛布
 毛布は、羽毛布団の上にかけます。羽毛布団が直接肌に接するようにすると、羽毛が体温を感知して膨らみ、保湿性が高まって暖かくなるからです。逆に毛布を先に体の上にかけてしまうと、せっかくの羽毛の保温性が遮断されてしまうことになるので注意しましょう。

○羊毛・化繊・綿わた布団と毛布
 毛布は、羊毛・化繊・綿わた布団の下へ。これらの布団は、羽毛布団に比べて体への密着性が低いため布団と体の間に隙間ができやすいことが理由です。また、化繊や綿わた布団は、直接肌に触れると体が冷えて温まりにくくなることも。特に綿わた布団は、寝汗による湿気が放出されにくく体を冷やす原因になるため、定期的に天日干しをするなどのメンテナンスが必要不可欠です。

 順番通りにかけても、毛布や布団が就寝中にずれてしまったり、蒸れてしまったりすると十分な暖かさを得ることができません。質の高い睡眠をとるためには、布団や毛布をかける順番だけでなく、寝具の四隅を紐でくくる「ずれ対策」や天日干しによる「蒸れ対策」を行うようにしましょう。

寝るときに靴下をはくのはNG? 睡眠の質を下げることも

 暖かく眠るために、足が冷えないように靴下をはいて布団に入る人もいると思います。実は、冷えを悪化させる原因になることも。

 良い睡眠を得るためには、脳や内臓など体の内部の温度である「深部体温」を下げる必要があります。深部体温は、手足に温かい血液が流れて熱が放出し、クールダウンした血液が循環することで下がります。保湿性の高い靴下をはいたまま寝ると熱が逃げにくくなるため、蒸れを感じるなどして睡眠の質を下げてしまうことにつながります。

 どうしても足先が冷たくて眠れないという人は、熱の逃げ場を作るためにゆるくて脱げやすい靴下を使用するようにしましょう。

 また、寒さのために長時間にわたって電気毛布を使ったり、こたつで眠ったりすることはやめましょう。体が温まって気持ち良いですが、眠っている間に発汗量が増えて脱水症状を起こす危険があります。熱を逃さない素材の服を着て寝ることも、同じリスクがあるため避けてください。

 ひと口に「快適な睡眠環境」といっても、好みや体質は人それぞれですので、その手段も三者三様といえるでしょう。しかし、人間の体の回復機能は「睡眠中は深部体温を下げる」ことで高まることに変わりはありません。そのポイントを押さえながら、自分に合った快眠法を見つけてみてください。

◇矢野達人(やの・たつと)
スリープコーチ。(社)日本睡眠教育機構が認定する睡眠健康指導士の上級資格取得。睡眠に特化したサロン、クリニック、旅館などの運営、寝具の製造販売や睡眠セミナーなど、睡眠に関わるあらゆることに取り組んできた睡眠のプロ。現在はニック・リトルヘイルズ氏と正式に契約し、アスリートに向けた睡眠指導も本格化。「睡眠の価値観を変える」というミッションを掲げて活動中。

(Hint-Pot編集部)