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温水洗浄便座のシャワー機能 自宅以外の出先で使用する? 使用時の注意を医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

使う条件は衛生面 デリケートゾーンのストレス軽減に使用

 一方、自宅以外で温水洗浄便座のシャワー機能を使う人の意見としては「トイレがきれいであれば安心して使えるから」をはじめ、自由回答には「信頼しているホテル宿泊時のみ」や「宿泊のホテルや旅館では使う」などの声も。「トイレがきれいに清掃してあること」など衛生面がポイントになっています。

 使う理由に関しては、自由回答として「陰部の汚れが気になる場合のみ使用」「痔なので積極的に使いたい」「トイレットペーパーだけでは拭き取れないときに便利だから」「産後に使っていた」など、デリケートゾーンのストレス軽減などを理由にする人もいました。

医師に聞く より快適に使用するために

 上記のアンケート結果を踏まえ、自宅以外での温水洗浄便座のシャワー機能を利用するために、東邦大学医療センター大橋病院の婦人科医・高橋怜奈医師に伺いました。

――公共のトイレでの使用について、感染症を不安とする声もありました。

「温水洗浄便座のシャワー機能を介して、新型コロナウイルスに感染する可能性は低いと考えます。もしトイレで感染があるとしたら、ドアノブやフタの接触、エアロゾル(気体中に浮遊する液体や固体が混合した微粒子)によるものです。しかし、ノロウイルスに関しては、感染している人が温水洗浄便座のシャワー機能を使うことで便座にウイルスが飛び散ってしまうと、そこから感染する可能性はゼロではありません」

――どんな点に気をつけたら良いでしょうか?

「座る前に、便座を備え付けの除菌クリーナーで拭いてから使用しましょう。また、トイレから出たらしっかり手を洗って消毒するなど、感染対策を行うことが大切です。公共のトイレに限らず、とくに感染症が気になる季節は、ご自宅のトイレの使用でも実践してほしいと思います」

――デリケートゾーンのストレス軽減に使用する人も多いようです。注意点はありますか?

「温水洗浄をストレスの軽減として常用していると、使用する水圧が強くなっていく傾向にあります。水を肛門やデリケートゾーンに勢い良く当てることで、粘膜の炎症が起こり、膀胱炎や膣炎、肛門周囲の炎症につながる場合もあるので注意が必要です。妊娠時や出産直後も、強く当てたり常用したりしないことが大切です。温水洗浄便座の使用は排便時のみ、優しく一時的なものにとどめましょう。排便時でないときも常用したり、強い勢いで当てたりしないように注意してください」

※この記事は、「Hint-Pot」とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。

◇高橋怜奈(たかはし・れな)
東邦大学医療センター大橋病院・産婦人科在籍。医学博士。元プロボクサー。婦人科診療について、SNSを通して啓発。また、元プロボクサーという経験を生かし、アスリートへのサポート活動を行っている。

(Hint-Pot編集部)