どうぶつ
猫エイズキャリアの地域ねこ 世話人の死去で保護へ 7000人がエール「幸せになって」
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面倒を見てくれていたおじいさんが亡くなり、“ひとりぼっち”になってしまったねこちゃん。見かねた近所の人が保護ねこハウスの運営者さんに連絡し、無事に保護されました。運営者さんが公開した、発見当時の様子をとらえた写真はツイッター上で7000件を超える“いいね”を集め、反響を呼んでいます。保護されたねこちゃんはその後どうなったのかについて、お話を伺いました。
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近所の人からの連絡を受け保護 口の中はひどい状態
愛知県一宮市で、保護ねこハウスを拠点に地域ねこの保護活動を行っている運営者さん。これまでたくさんのねこたちを救い、現在も38匹の子ねこや医療を必要としているねこちゃんたちと暮らしています。過去には、国道沿いで骨折したねこを保護したことが注目を集めました。
今回ツイッター上で話題になったのは、うつろな目でカメラを見つめるねこちゃんと、その暮らしぶりがうかがえる様子をとらえた2枚の写真。長毛種で本来はふわふわの被毛が美しいはずのねこちゃんですが、毛ヅヤを失い、骨張った体つきからは過酷な環境で過ごしてきたことが伝わります。
運営者さんが保護することになったのは、近所の人から助けを求められたことがきっかけでした。
「近所では有名なエサやりさんのおじいさんがいて、昔からたくさんの地域ねこたちがごはんをもらっていたみたいです。しかし、そのおじいさんが亡くなってしまい、状況を知った近所の方からご連絡を受けて保護に向かいました」
運営者さんは、「優しいおじいちゃんからごはんをもらい暮らしていたねこちゃん おじいちゃんが亡くなってしまい困っているとのご連絡 見にいってみるとおくちの状態がひどい! これではごはんもしっかり食べられない 病院行こう 保護します! うちにおいでよ」とのメッセージを添えて写真をツイッターに投稿。すると、7000件超もの“いいね”が集まりました。
リプライ(返信)には「頭が下がります」「保護をありがとうございます これからは幸せになってほしいです」と、感謝する声が続出。また、「温かい手を差し伸べていただき感謝いたします。少しばかりのギフトを送らせていただきます」など、活動に共感する人から寄付も寄せられています。
病気や望まぬ妊娠からねこを守るために 啓蒙活動も
保護したねこちゃんは女の子で、推定年齢は5歳から8歳くらいとのこと。避妊手術はまだされていませんでした。
「保護した後は病院に連れていって避妊手術を行い、ついでに検査したところエイズキャリアでした。口はエイズの症状ですね。おじいさんに知識がなかったのかもしれませんが、避妊手術もしないでエサをあげていたのは良いこととは言えません」
保護ねこハウスで療養中のねこちゃん。今後は「うちの子として終生暮らします」とのこと。
「ねこを助けると同時に、避妊・去勢の大切さをたくさんの人に広めていくのも我々保護団体の大切な仕事です。たくさんのねこたちが残っていますので、優しいおじいさんに代わり、ねこたちを保護して里親につなげていきたいと思います」
新しい居場所を見つけたねこちゃん。これから幸せに暮らしていくのを、おじいさんも空から見守っていることでしょう。
○取材協力:hinatabocco.k(@hinatabocco_k)さん
(Hint-Pot編集部)