「こういうホテルあったら行きたい」。そんな理想のホテル接客について描いた4コマ漫画が、ツイッター上で話題になっています。作中のホテルでは“家族のようなおもてなし”を目指しているようですが、想像を超える驚きのサービスを提供。思わずクスッと笑ってしまうオチで3.4万件の“いいね”を集めています。作品について、作者の稲井カオル（@Kaoru_Inai）さんにお話を伺いました。

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上司から伝授された接客の心得　「お客様を家族だと思ってもてなしましょう」

　作者の稲井さんは、宇宙から襲来した地球外生命体と人類の存亡をかけた大戦争を描く「そのへんのアクタ」など、多くの大人気コミックを手がける漫画家。2万5000人のフォロワーを持つ自身のツイッターアカウントでは、さまざまなテーマのクスッと笑える4コマ漫画を公開し人気を博しています。これまでの作品をまとめた「みちくさ定食」はKindleで無料公開中です。

　今回ツイッターで反響を呼んだ4コマ漫画は、実際にはないけれど「あったらいいな」と思うホテルの接客サービスを描いたもの。とあるホテルでゲスト対応にあたるスタッフに、上司が「お客様を家族だと思ってもてなしましょう」と接客の心得を伝えます。

　するとそこへ、宿泊客がチェックアウトの手続きをしにやってきました。上司からの言葉をしっかり理解したスタッフは対応に出ます。

「もう出んの？　朝ごはんぐらい食べていけば？」

　まるで息子を引き留める母親のような接客態度に、そばで見ていた上司は驚きの表情を浮かべ、「こらこら！　家族ってのはそうじゃない！」と女性スタッフの態度を正します。そして対応を代わった上司は、想像をはるかに上回る“家族のようなおもてなし”を披露するのでした。

　漫画はツイッターで3.4万件の“いいね”を集める大反響。リプライ（返信）には、「いやそのサービス欲しすぎる」「合ってるけど違う」「スタッフさんがおかん」「徹底したホスピタリティ」「次行ったら『おかえり』って言ってくれそう」「こういうコンセプトのホテルあったら行きたい」「おかんすぎる……!!」など多くのコメントが寄せられ、“笑撃”のラストにホテル宿泊を希望する声も殺到しました。

作者が思う、理想の“家族のようなおもてなし”とは

「こんなホテルがあったらいいな」など、多くの人の共感を呼んだ作品について、稲井さんに詳しいお話を伺いました。

Q. 今回の漫画のストーリーを思いついたきっかけを教えてください。
「『家族のような接客』というコピーを見て、本当に家族と思って接したら大変なことになりそう……と妄想を広げました」

Q. もし実際にこんなホテルがあったら、フロントの方にどんなことをリクエストしたいですか？
「チェックアウトの際、部屋に忘れものをしていないか一緒に確認してほしいです。『充電器忘れてんで！』みたいに教えてもらえると助かります」

Q. 漫画に出てきたセリフを、実際にご家族から言われたことはありますか？
「実家に住んでいた頃は、母から『あんた今日、早く出る日ちゃうの？』などの声かけをしょっちゅうもらっていました」

Q. 稲井さんがイメージする“家族のようなおもてなし”とは、どんなものでしょうか？
「基本的に放っておいてくれるけど、ナイスなタイミングでお節介を焼いてくれるのが、いい意味で家族っぽいのではないかと思います」

Q. 今回の漫画で一番こだわった点や、読者に伝えたいことを教えてください。
「4コマ目のおかん感にこだわりました。セリフが標準語だとまったく違う印象になるので、こういうときに大阪弁って便利だなと思います」

Q. 読者からの印象に残った感想や気づいたことを教えてください。
「『こんなホテルに泊まってみたい』という感想が多くてうれしく思っていたのですが、『実際に似たようなサービスを受けたことがある』という方もいて驚きました」

（Hint-Pot編集部）