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漫画

好きなことで食べていける少数派になるには アドバイス漫画に“刺さる”人が続出

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

漫画のワンシーン【画像提供:夏目にーに(@212natsume)さん】
漫画のワンシーン【画像提供:夏目にーに(@212natsume)さん】

「好きなことで食べていけますか」――高校生の悩みに、美術教師が真摯に答える漫画がツイッター上で話題になっています。説得力のあるアドバイスが綴られた漫画には、計1.6万件もの“いいね”が集まりました。好きな分野を仕事にするには、どうすればいいのでしょうか。多くの人に感動や共感を呼び起こした作品について、作者の夏目にーに(@212natsume)さんに詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

進路相談にやってきた生徒から「毎回答え方に苦慮する質問」が…

 美術大学を卒業後、画家として活動する夏目にーにさん。並行して、美大受験予備校の実技講師や専門学校の講師、中学高校で美術の非常勤講師などをかけ持ちし、4つほどの絵画教室を主宰してきました。そして現在、高校の美術専任教師として働く夏目さんは、10年以上に及ぶ教師生活のなかで出会った生徒との思い出など、実話をベースにした創作漫画をSNSで発表しています。

 作品には、高校の美術教師である主人公とその生徒たちとのやりとりが描かれており、核心を突く主人公の言葉が癖になる人も続出。今回、話題になったのは「攻めろ 好きなことで食べていけますかの問い」というタイトルの漫画でした。

 漫画は、将来イラストレーターを目指しているという生徒の進路相談から始まります。しかし、相談を受ける主人公には“毎回答え方に苦慮する質問”がありました。それは「美術系で食べていけるのか?」というものです。そこで「私が見たり聞いたりした一般的な話」と前置きをしつつ、主人公は慎重に言葉を選びながら答えていきます。

 専門学校や芸大美大へ行くメリット、専攻や業種による違い……。そして、イラストレーターや画家などの作家系は「たとえ実力があっても、大多数の人はなかなか一本では食べていけない」という厳しい現実も、ありのまま伝えます。

 とはいえ、主人公は決して突き放すだけではありません。なぜ大多数の人が食べていけないのか、過去の経験をもとにしたアドバイスをします。相談をした生徒は、主人公が言う大多数の人間と同じ行動を取っており、ドキッとしてしまいます。さらに「攻めろ」というタイトル通り、主人公は最後に驚きの提案をするのでした。

 2件のツイートにわたり掲載された漫画は大反響を呼び、合計1.1万件もの“いいね”が。リプライ(返信)には「すごく納得! 私も、もうちょっと趣味の漫画広げたいなぁと考えていて……刺さりました」「高校時代にこれを気づかせてくれる先生がいることがすごい」「攻める姿勢は大切。知ってもらわなきゃないのと同じ」など、感動の声が寄せられています。

「ほぼ100%肯定的な感想でうれしかった」

Q. 今回の漫画を描いた理由は?
「イラストレーターなど、作家系になりたいという相談はよく受けます。こういった悩みや不安を持っている学生はいっぱいいるだろうと思い、エールを送りたくて描きました」

Q. モデルになった生徒はいますか?
「一応、イメージした子はいますが、毎年1人くらいから同じような相談を受けるので、何人かをモデルにしています。ちなみに、卒業式が行われた3月1日、質問に来たある生徒に将来は何になりたいかを聞いたところ『イラストレーターです』と答えたため、『漫画と同じだ!』と驚きました。もちろん『待たないで攻めなさい』と伝えました」

Q. 漫画のラストのように、サポートをすることはあるのでしょうか?
「あります。過去に描いた漫画『今やれ今・・ほんとにやったのか?』のように、生徒にギャラリーを紹介したこともあります。ただ、卒業後もつながりが続くのはかなりレアケースです」

Q. ご自身の学生時代は、同じように「食べていけるか」心配していましたか?
「常にかなり不安でした。私の場合は『絶対に絵関係で食べていきたい』と思っていたので、とにかくなんでもできるようになろうと、いろいろなスキルを磨くことで不安を和らげていました」

Q. 読者の感想を読んで気づいたことは?
「ほぼ100%肯定的な感想だったのでうれしかったですね。フリーランスの方などさまざまな業種で働く方々の共感を得ることができて、私は間違ったことは思っていなかったんだなと改めて感じました」

 夏目さんは、今後もツイッターをメインに新作漫画を発表予定。また、これまでの作品をKindleでまとめるそうなので、そちらも楽しみですね。

(Hint-Pot編集部)