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「異性の子どもがトイレに入ってくる」何歳まで許容? 就学前までが多数、専門家の見解は
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公共での子どもの“1人トイレ” 安全の見極めとは
――先ほど日本の公共のトイレは「入りやすく見えにくい場所」とのお話がありました。具体的にどういった特徴があるのでしょうか?
「日本のトイレは通常、3つのゾーンにしか分かれていません。男女専用以外のゾーンには『だれでもトイレ』といった名が付けられ、身体障害者用トイレは男女別になっておらず、誰もが『入りやすい場所』になっています。海外のトイレでは、4つのゾーンに分かれているケースが多いです。日本と異なり、男女別の身体障害者用トイレが設置されることもあれば、男女それぞれのトイレの中に障害者用個室が設けられることもあります。また、男性用トイレの入り口と女性用トイレの入り口がかなり離れていることも珍しくありません。利用者の特性に配慮したゾーニングが施されているのです」
――子ども1人でも安全に利用できるトイレを見分ける際のポイントは?
「入りやすく見えにくいトイレに1人で行かせるのは避ける、ということです。ゾーニング、つまり、すみ分けが確保されたトイレは『入りにくい場所』です。男性用、女性用、男性身体障害者用、女性身体障害者用と4つのゾーンを設けているトイレがベストですが、日本では見られませんね。なので、少なくとも、男女の入り口が離れているトイレを選ぶと良いでしょう。逆に、男女共用のトイレは『入りやすい場所』なので、もっとも危険です。入り口が周囲から『見えやすい』ことも重要です」
――一般的に、保護者がトイレに付き添ったほうが良い年齢の目安はありますか?
「個人差はありますが、小学3~4年生頃までの子どもは非常に騙されやすいため、保護者がトイレに付き添うことをおすすめしています。子どもの誘拐事件は、実に8割が騙されて自らついていってしまったケースです。そのため、異性の子どもが6歳を超えたら多目的トイレを利用するか、トイレの入り口まで付き添うといいでしょう。トイレの入り口で待つ際は、堂々と待っていて問題ありません。声がけは予想以上に時間がかかっている場合だけでもいいでしょう」
※この記事は、「Hint-Pot」とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
公認心理師、臨床心理士。一般社団法人 親と子どもの臨床支援センター代表理事。専門は乳幼児発達臨床心理学、保育臨床、子育て相談、子どものメンタルヘルス。東京都世田谷区の小児科・ほあしこどもクリニック副院長として長年、子育て相談や心の相談で子どもや親と向き合ってきた。保育園等で保育者の指導を行うほか、全国で講演を行っている。著書に「0.1.2歳児 愛着関係をはぐくむ保育」(学研プラス刊)などがある。
◇小宮信夫(こみや・のぶお)
立正大学文学部社会学科教授。専門は犯罪学。日本人として初めて英国ケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省人権擁護局、法務省法務総合研究所などを経て現職。地域安全マップの考案者。代表的著作は「写真でわかる世界の防犯――遺跡・デザイン・まちづくり」(小学館、全国学校図書館協議会選定図書)。
・小宮信夫の犯罪学の部屋
・YouTubeチャンネル「小宮信夫の犯罪学の部屋」
(Hint-Pot編集部)