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「知らなくていい」はNGワード 2~3歳児の「お風呂性教育」 性被害防止にも効果的
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教えてくれた人:OliviA
「子どもの性教育」と聞いて、教える内容を具体的に思い浮かべられる大人は意外と少ないものです。未就学児においては特に、その必要性など人によって認識が異なるかもしれません。ラブライフアドバイザーのOliviA(オリビア)さんいわく、性教育で学べるのは、人間一人ひとりが異なる存在であること、そして性犯罪を未然に防ぐ手段だそう。性に関する読者のお悩みに回答する連載、今回は「未就学児への性教育」です。
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“体の違い”について興味関心を持つのは2~3歳
【今回のお悩み】
「先日読んだニュース記事で、性教育のスタート年齢は5歳が推奨されていると知り驚きました。我が家には3歳の女の子がいますが、2年なんてあっという間ですから、何か準備をした方が良いのでしょうか? 一体何をどこからどうやって教えればいいのか、見当もつきません」(既婚・30代女性)
相談者さんが読まれた記事は、ユネスコが作成した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」をベースにした性教育だと思います。確かにヨーロッパなどでは、幼稚園くらいから性教育に取り組むのがスタンダードとなっている国もあるのが現状です。でも焦る必要はありません。
お子さんは3歳とのこと。大人と子どもや男女に存在する“体の違い”について興味関心を持つのは、まさに2~3歳の頃です。
そこでお風呂に一緒に入った時に、「体は男女で違うけれどそれだけではなく、一人ひとりが、また年齢によっても違う。それはなぜかというと……」という風に始めるのが良いのではないかと思います。
理想的な「お風呂性教育」とは 男女の保護者どちらでもOK
これを「お風呂性教育」と呼んでいます。そこでまずは男女の体の違いについて話すこと。「性教育」と聞いて、性交を教えるようなイメージを持つ方もいらっしゃいますが、実はそれ以前に大切なことがたくさんあるのです。
3歳児に「お風呂性教育」行うのは、男女の保護者どちらでも大丈夫。むしろ子どもはよく観察しているので、子どもに大人の体を観察してもらった上で違いに気づかせ、「なぜお母さんは胸が膨らんでいるの?」「なぜお父さんは胸がなくて足の間に別のものがついているの?」「なぜ大人は毛が生えているの?」など、子どもの質問をきっかけにするのが理想的ですね。
「男女の体はなぜ違うのか」というお話をするのは、保護者の性別を問いません。ただお風呂でいろいろ聞かれるのは大切な性教育の一環ですので、保護者の間で事前にすり合わせができているのが望ましいでしょう。急に聞かれると思わず「そんなこと聞いちゃダメ」「子どもは知らなくていい」などと答えてしまうこともあります。
特に「子どもは知らなくていい」はNGワードです。子どもが2~3歳になったら、そろそろ聞かれたらこう答えようと保護者間で決めておきましょう。「よく気づいたね!」と子どもの興味をまず肯定してから、子どもが分かる言葉で説明していく。それが性教育の第一歩だと思います。