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賃貸物件を1円でも安く借りるには 知っておきたい基礎知識を不動産のプロが解説
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
3月は進学や就職、転勤に伴った引っ越しがピークを迎えます。新生活に向けて準備をしている人が多いと思いますが、部屋を決める際によくわからず、不動産会社にすすめられるままに決めているという人も少なくないでしょう。そこで、不動産賃貸に関する豆知識をお届けする本連載。第1回のテーマは「賃貸物件をなるべく安く借りるためにはどうするべきか?」です。不動産取り扱い経験は20年以上、宅地建物取引士の資格を持つ東京・中目黒の「コレカライフ不動産」姉帯裕樹さんに教えていただきました。
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賃貸物件は主に3種類 安くなりやすいのは?
「あくまでも“自分だったら”という私見にはなりますが……」との前提で、姉帯さんは安く借りるポイントを次のように解説します。
まず今、一般的に募集している賃貸物件にはいくつか種類があります。主な3つを簡単に説明すると、1つ目は、大手デベロッパーが建てたマンションの一部を買った人が賃貸物件として貸し出している「分譲賃貸」。2つ目は、大家さんが貸すために建てた物件を貸す「賃貸マンション・アパート」。そして3つ目が、信託銀行などがさまざまな投資家を募って購入した部屋を賃貸に出し、その収入を利益として分配する「不動産ファンド物件」です。
このなかで安くなりやすいのは3つ目のファンド物件で、よくあるサービスとして敷金・礼金が無料になったり、フリーレントが1~2か月付いていたりする場合があります。
たとえば、3か月以上その物件が空いてしまいそうなときに、大家さんの資金に余裕があったり戸数が少なかったりすることもあります。その場合、1つ目や2つ目だとそうしたサービスをしなくても済むため、大家さんしだいで賃貸価格が多少下がることはあっても、フリーレントが付くことはほぼありません。
しかし3つ目の場合、分配するための利益を得なければならないため、空室期間を減らすことを考えるとフリーレントを1か月付けてでも入居者を探したほうがプラスになるのです。借り主にはあまり関係ないですが、所有者を変更することもあります。
ファンド物件は月ごとに賃貸価格が変動することも
こうしたファンド物件は、借り手からの値段交渉に応じてもらえることはほぼありませんが、月ごとに賃貸価格が変動することがあるのが特徴です。
最初に見たときに「高いな」と思っても、翌月、翌々月になってまだ借り手が見つからなければ、グッと価格が下がることもあります。気長に探してみて、気に入った物件がファンド物件で家賃が高い場合は、少し様子を見るのも手かもしれません。
不動産ファンド物件かどうかは、一般の方にはわからないことが多いと思いますので、不動産屋に尋ねるのが一番です。敷金・礼金ゼロ、フリーレント付き……なんていう物件は、だいたいファンド物件ですね。念のため確認してみましょう。
少しでも安く借りたい、1円でも多く節約したいと思うのであれば、ぜひそうした物件を探してみてください。
(和栗 恵)
姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)
「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。