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持ち家と賃貸 結局どっちが正解? 破損の際に心理的ダメージが少ないのは賃貸の声も
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時代の流れとともにライフスタイルが多様化し、マイホーム購入という選択をしない人も増えてきました。「終の棲家」に近い意識で“自分の城”に腰を据えるか、それとも気になった土地や部屋に移り住める身軽さを優先するか? また近年は、予算を抑えつつ理想の住まいを手に入れる手段として中古リフォームも人気です。マイホーム購入ビギナーに向けた連載の第3回は「持ち家か賃貸か? 新築か中古か?」。不動産情報サービス大手「アットホーム株式会社」の広報・清水桃花さんによるレクチャーでお届けします。
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持ち家と賃貸 決定的な違いは“資産”と“身軽さ”
一生で最も大きな買い物になる可能性が高いものといえばマイホーム。コロナ前の2018年に総務省が発表した「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国の持ち家は3280万2000戸。持ち家住宅率は61.2%でした。
また、メディアなどでは持ち家志向の高まりや中古マンション価格の上昇傾向などが報じられています。清水さんによると、アットホーム株式会社が2020年11月に発表した「『住宅購入のプロセス&マインド』調査」(※1)では、新築マンションを購入した人の持ち家を選んだ理由1位が「家賃の支払いが嫌になった」だったそうです。
「持ち家の最大のメリットとは、ローンによる月々の支払いがそのまま“住居”という資産になることでしょう。いざとなれば売却できますから、将来的な安心感にもつながります。また、好みの間取りやインテリアに変えるリフォームも、一戸建てなら全面的に可能です」
リフォームでは自由度が高い持ち家ですが、転居の自由度は当然ながら低くなります。やはりこれが最大のデメリットと考えられるようです。
「住み替えが容易ではないという点はデメリットですね。ライフスタイルや職場の変化といった外的要因や、住んでみると不便さがあったといった予想外のトラブルも考えられますので、物件を選ぶ際は慎重にならざるを得ません。また、先々まで考えた上で収入に合った住宅ローンを組むことも大切。健康面のトラブルや勤務先の状況変化で収入が減った際、支払いが難しくなってしまうことも考慮するといいでしょう」
一方で賃貸のデメリットは、持ち家と逆に毎月の支払いが資産にならない点。ただしその分、場所はもちろん広さや内装のテイストなど、ライフステージごとに適した住まいを選べる自由さが大きな魅力です。
「“住み替える”ということだけで考えると、ライフステージに合わせて身軽に探すことができます。例えば、お子さんに一人部屋が必要になった時など、成長に合わせて住み替えることも可能です。また、地震や水害などの被害に遭ったり、お子さんが壁に傷などを付けたりした場合、心理的ダメージは持ち家の方が大きいという意見も。さらに固定資産税を納めなくてもいいというのも大きいですね」
(※1)調査対象:過去2年以内(2018年6月以降)に自己居住用として住宅を購入した全国の21~49歳の男女1200人