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銃乱射事件でも活躍 法廷付添犬のゴールデンレトリーバーが引退 米国で話題に
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米国の裁判所で5年間、証言台に立つ人々を慰めてきた法廷付添犬のゴールデンリトリーバーが役目を後任に引き継ぎ、引退することになりました。このニュースが米国で報道され、多くの人の関心を集めています。
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証言台に立つ人たちの精神的負担を軽減する法廷付添犬
引退することになったのは、米イリノイ州にあるセントクレア郡の裁判所に法廷付添犬として任務についていたゴールデンレトリーバーの「ブルイン」。10歳になるブルインは、被害者支援室に務めており、5年間、証言台に立つ人たちの精神的負担を軽減するために人々に寄り添ってきました。
米紙「タイムズ・ヘラルド」の記事によると、被害者の権利を守ってきたコートニー・カール氏は、「人々が証言台でトラウマを感じたとき、犬たちはそれを察知し、理解すると私は信じています。ブルインは人々に安らぎを与えてくれました」といいます。
ブルインは、法廷付添犬になる前は目の不自由な飼い主を助ける盲導犬として活躍していました。しかし、飼い主の健康状態が悪くなったため、犬擁護プログラムに譲渡され、法廷で働くための訓練を受けたといいます。同時にブルインは、犯罪被害者を支援する非営利団体「P.S. You’re My Hero」からも一部資金援助を受けており、「このプログラムに対する期待を超える働きぶりでした」とカール氏は評します。
ブルインの功績はセントクレア郡以外にも及びます。2021年にオックスフォード高校で起こった銃乱射事件後、ブルインは教室に出向き、生徒たちの傷ついた心を慰めました。さらに直近では、現地時間2月13日に起きたミシガン州立大学での銃乱射事件でも、学生寮に出向いて帰国することができなかった多くの留学生たちの心を癒やしたといいます。
「私がコミュニケーションを取ることができない人々をサポートするために、ブルインが人々に対して持つ影響力を考えると、ブルインのプログラムがいかに重要だったかを示しています」とカール氏は語ります。
この5年間、カール氏にとってブルインは相棒のような存在で、「ブルインがオフィスにいなくなるのはさみしい」といいます。それはブルインから癒やしをもらった人たちも同じで、ブルインに会いたくて支援室を訪ねてくる人も多いのだとか。
ブルインの引退後、被害者支援室で代わりを務めるのは2歳になる黒のラブラドールレトリーバーとゴールデンレトリーバーのミックス犬「カーボン」で、現地時間20日に初出勤を迎える予定です。
(Hint-Pot編集部)