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外国人旅行者から大人気の日本の料理教室 立ち上げたきっかけとは 和食は「世界一」の自信
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人の移動が制限されたコロナ禍でも、オンラインを活用して世界とつながり続けた料理教室があります。それは、外国人向け料理教室「わしょクック」です。一般的な日本の家庭料理を外国人向けに教える「わしょクック」は、日本を訪れる外国人旅行者からとくに人気となっています。この料理教室を立ち上げたのが、富永紀子さん。インタビュー前編では、「わしょクック」を立ち上げるきっかけについて語っていただきました。
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初めて食べた現地の家庭料理に感動 将来のニュージーランド移住のきっかけに
「どんなにマーケティングがうまくいっても、もともとの商品が良くないと結局はうまくいかないんですよね。だから、やはり核となる商品作りが一番大事なんだと思います」
実感を込めてそう語る富永さんが2014年に立ち上げたのは、外国人向け料理教室です。その名も、“和食”を“cook(料理する)”で「わしょクック」。実は元マーケッターである富永さん。ネーミングセンスが光る「わしょクック」が誕生したきっかけは、14年前のニュージーランド旅行と、義母との同居生活でした。
海外旅行中の食事といえば、現地のレストランやホテル、テイクアウトが一般的であるのに対して、富永さんがニュージーランド旅行中に食べたのは現地の家庭料理。そもそも旅の目的自体が、20年ほど前にテレビで見かけた、あるお宅の家庭料理を食べることだったそうです。そこは、オークランドから車でさらに北へ6時間ほど走らせた場所にある、ニュージーランドの北の果て。初めて口にした現地の家庭料理の第一印象は、どんなものだったのでしょうか。
「現地のレストランでいただく食事とはまったく違ったんです。シンプルな味付けではあったものの、めちゃくちゃおいしかったです。さらに、家庭料理を通した家族の会話や団らんもすごく温かかった。家庭料理というのは、家族の思いや価値観、その土地の雰囲気など、いろいろなものが感じられるものなんだとそのときに知りました」
旅行者にとって、その土地ならではの家庭料理に価値があることに、富永さんは気づかされたのです。