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からだ・美容

子どもの整形は親子間の話し合いが大切 外見だけでなく心にフォーカスを合わせて

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

美容整形をしたいという中高生が増加。親はどう向き合うべき?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
美容整形をしたいという中高生が増加。親はどう向き合うべき?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 高校生向けの美容整形の電車広告や、子どもの美容整形レポートを投稿した動画がSNSで話題になっていますね。ひと昔前は、美容整形をしたことがバレないよう隠す人が大半でしたが、近年は著名人やインフルエンサーによる整形報告などネット上で情報が共有され、身近なものになっています。美容整形への抵抗がなくなり、「整形をしたい」という中高生も増えているようです。気になっているけれど、正解がどうもわからないという健康や美容の疑問を医師が解説する連載。今回は「子どもの整形」をテーマに佐藤卓士医師に伺いました。

 ◇ ◇ ◇

二重手術だけじゃない ほくろ除去など美容整形はさまざま

「パッチリした目にしたい」「鼻を高くしたい」「エラが張っているのが気になるから削りたい」「きれいな形の胸にしたい」。美容整形というと、きれいになりたい、形を整えたいといった「美しさ」を求めて行う「二重手術」や「整鼻術」「豊胸」をイメージする人が多いのではないでしょうか。

 一般的に美容整形と言われますが、医療の現場では「美容外科」と呼ばれています。形成外科との違いは、形成外科は病気やけがによる体表面の傷や変形を治しますが、美容外科は病気ではないけれど外見をさらに美しくすることを目的とした施術を行う場です。そのため、形成外科は主に保険診療であるのに対し、美容外科は自費診療です。

 では、美容外科はどんな治療メニューがあるかというと、主に以下のものが挙げられます。

・二重手術
・ほくろやアザの除去
・傷痕修正
・脱毛
・ワキガ、多汗症治療
・ニキビ跡治療
・鼻や輪郭の形成
・豊胸
・痩身

 どの施術もリスクはゼロではありませんし、多少の痛みが伴います。子どもがやりたいと言ったらどれもできるかといえば、成長段階の子どもには適さない施術もあります。思春期を終えるまでは皮膚は未熟ですし、骨も成長中です。鼻や輪郭の形成、痩身、豊胸は早くても第二次性徴が終わってからが良いでしょう。

 低年齢で相談が多いのはほくろやアザの除去、小学校高学年から中学生になると脱毛やニキビ跡の治療、ワキガ、二重手術が多くなります。これらの治療は10歳くらいから可能となりますが、麻酔など施術の痛みに耐えられるか、施術中にじっとしていられるかは個人差がありますので、あくまでも目安です。

 本人の意志でやると決めても、処置室に入り施術をしようとした段階で、恐怖心から泣いてしまうお子さんもいます。厳密に何歳からという基準は設けられていませんが、私としては小学生のお子さんにとって美容整形は心身ともに負担が大きいと考えています。