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「ひと煮立ち」したらすぐに火を止めても良い? 「煮る」の正しい知識を元家庭科教師が解説【お料理1年生のためのレシピ用語】

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

「煮る」工程はとても多彩

コトコト煮込む(写真はイメージ)【写真:写真AC】
コトコト煮込む(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「煮る」とは、だし汁や調味料などを加えた煮汁に食材を入れて火にかける調理方法。調味料などを加えずに水や湯で加熱するのは、「ゆでる」です。関西では「炊く」とも。「煮る」の言葉が付いたレシピ用語はたくさんあります。主なものを紹介しましょう。

○煮込む
 材料が浸る程度の煮汁を加え、弱火でコトコトと長時間煮て味をよく染みこませること。単に煮るよりもじっくりと時間をかける意味合いがあります。

○煮切る
 酒やみりんなどの調味料に含まれるアルコール分を飛ばすこと。鍋に入れて火にかけ沸騰させるのが一般的です。

○煮詰める
 水分の多いものを弱火にかけて、水分を飛ばし少なくすること。ミートソースやサバのみそ煮などを作るときに。

○煮えばな
 煮物や汁物などがグラッと煮え始めた頃のこと。たとえばみそ汁を作るときに、「みそを溶き入れた後『煮えばな』で火を止めます」という具合に使います。

煮汁を絡めるように仕上げる(写真はイメージ)【写真:写真AC】
煮汁を絡めるように仕上げる(写真はイメージ)【写真:写真AC】

○煮絡める
 煮汁が少なくなるまで煮詰めて、濃度の濃くなった煮汁を材料に絡めるように仕上げることを言います。

○煮含める
 薄味にしたたっぷりの煮汁でゆっくり時間をかけて煮て、材料の中まで味を染み込ませること。大根などの根菜類や豆類、乾物類を煮るときに、煮汁を少し残す程度で仕上げます。

○煮びたし
 たっぷりの煮汁で時間をかけて煮たり、加熱した材料を煮汁に浸して味を染み込ませたりする方法です。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾